Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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この一枚を聞け! [HIDEAWAY / AMERICA]



 今回紹介するアルバムはAMERICAの1976年に発売された6枚目のアルバム、「HIDEAWAY 」です。

 AMERICAは1971年、デューイ・バネル、ダン・ピーク、ジェリー・ベックリーの3人によって結成されたグループです。日本ではあまり馴染みのないグループではありますが、本国アメリカではチャートNo.1になったグループでもあるのです。

 デビュー作の「AMERICA」は発売当時はパッとしない売り行きであったが、翌年発売したシングル曲”A Horse With No Name”が全米No.1になると同時に、この曲を追加収録し再リリースしたファーストアルバムもチャートNO.1になると言う、いかにもアメリカらしい出来事であります。この時代の音楽ソースはレコード、ラジオが中心であったため、シングル曲がラジオ局で放送されることがいかに重要だったかが解ります。

 AMERICAの代表曲というと”Sister Golden Hair”!日本でも大ヒットした曲であります。その曲が収録されているのが5枚目のアルバム「HEARTS」であります。しかし、今回紹介するアルバムはその大ヒットアルバムが発売された翌年、1976年に発売された「HIDEAWAY」なのです。なぜこのアルバムを選んだかと言うと、70年代中期からウエストコーストではイーグルスやドゥービーブラザーズ等のロックとフォークを融合したようなサウンドが流行りはじめていました。

 このアルバムもそのブームに乗ったと思われるようなサウンドに作られています。しかし、AMERICAの持ち味であるコーラスは他を圧倒するモノであった私は思います。この時代よく、AMERICAは同じコーラスを主体とするクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングとよく比較されました。CSN&Yに比べると泥臭くなくすんなり聴けたのが当時の印象でしょうか。

 そのサウンドの移り変わりは3曲目の“Don't Let It Get You Down”や8曲目の”She's A Liar”などに大きく表れています。しかし、全曲にわたってコーラスは全開にフィーチャーされています。

 最近、70年代前半から中期あたりの音源を聞くと、明らかにアコースティックギターの音がイイ音に感じるのは何故でしょうか?! 現在のレコーディング技術は明らかにこの時代より進化しています。しかし、ニール・ヤングや初期のドゥービーブラザーズ、イーグルスなどはホントにイイ音なのです。アコギの本来の音が再現できているというか・・・、言葉で表すと非常に難しいですがホントにそんな感じなのです(笑)

 そしてAMERICAは現在でも活動を続けています。オリジナルメンバーのダン・ピークは2011年に他界しましたが、残りの二人活動を続けているのです。40年以上活動を共にできるって本当に凄いですよね。そんなこと思いつつ、とにかくこの一枚を聞け!
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