もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
今回紹介するアルバムは80年代に女性バンドで最も売れたバンド、GO-GO'Sのセカンドアルバム「VACATION」です。 ゴ−ゴーズの結成は1978年と意外に古く、ヴォーカルのベリンダ・カーライルが中心となって作られている。当初はパンクバンドとして結成されたそうだが、やはり女性のパンクバンドが受け入れられる時代ではなかったようだ。 バンドの転機は80年代に入ってから急にやって来る。81年にメジャーレーベルと契約し、デビューアルバム「BEAUTY AND THE BEST」をリリースする。バンドスタイルはパンクではなく非常に聞きやすいPOPなロックンロール!しかし、時代は女性バンドに対しては非常に厳しい評価でなかなか人気が出なかったのである。しかし、シングル”We Got The Beat”が大ヒット。バンドは瞬く間に全米No.1に上りつめたのである。まさにこれこそがアメリカン・ドリームです! その翌年の1982年に発売されたのが、このアルバム「VACATION」です。サウンド面ではファーストアルバムにあったごり押し感が少し和らぎ、POP色がさらに濃くなったといえる。実際の売り上げは前作の「BEAUTY AND THE BEST」を上回る事は出来なかったが、自分はこちらのアルバムの方が聞いていて気持ちがいい。 1曲目の”Vacation”はこれぞシングル曲と言うようなポップな曲だし、4曲目の”We Don't Get Along ”などは日本のガールズバンドでこんな曲なかったというような感じだ。(笑)7曲目の”Get Up And Go ”なんかはこの時代こう言う始まり方あったな〜と思うし、10曲目の” The Way You Dance ”なんかはオ〜ッ、カリフォルニアって言う感じと突っ込みどころ満載なのが実に楽しいんです。 ギターサウンドも勿論歪んでいないので、聞き方によってはベンチャーズ風だし、サーフロックみたいにも聞こえたりとサウンド面でも突込み満載。今聞くと全てにおいて新鮮なのです。音が溢れている現代ではあまりない、ソリッドな音とはこの事なんじゃないかと思うくらいなのです。 そしてGO-GO'Sは1982年に初来日を果たしています。たしか中野サンプラザかどこかのホールに私も見に行きましたが、なんせアルバムが2枚しか発売されていないバンドですので、曲がありません。しかもどの曲も3分前後ですので、確かな記憶ではありませんが1時間少々しか演奏時間がなかった気がします!! このコンサートって2部制とも思った気がいたします(笑) 順風満帆に行っているかと思うバンドでしたが、やはりガールズバンドが市民権を得ていない時代でしたので、メンバー同士の確執やアルコール、ドラッグ等でどんどんと解散へと追い込まれていきます。しかし、この時メンバーの年齢は20代前半であってアルコールやドラッグで解散ってすごいですよね。さすがロックンロール大国であります。 1985年にバンドは解散。たった4年間の活動でしたがガールズバンドの布石になったことは間違いないと思う。翌年、ヴォーカルのベリンダ・カーライルはソロデビュー。1987年にはシングル“Heaven Is A Place On Earth”で再び全米No.1に返り咲くのです。凄いな〜このロックンロール人生。カッコよすぎます。とにかくこの1枚を聞け!! バックナンバー |