もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
今回紹介するアルバムは1977年9月に日本武道館で行われた、イアン・ギラン・バンドの初来日公演の模様を収録したライブアルバム「LIVE AT THE BUDOKAN」です。 イアン・ギランと言えばご存じDEEP PURPLEの2代目ヴォーカリストであるが、その黄金期であるDEEP PURPLEを脱退したのが1973年で、奇しくも最後のステージはこのアルバムの収録が行われた日本武道館であった。バンドを脱退後、イアンはミュージシャンを引退したとも囁かれ、その姿を見ることは全くなかったと伝えられる。 その、イアンが1976年に復帰することになった。そのファーストアルバムのタイトルは「CHILD IN TIME」。そう、DEEP PURPLEの名曲”Child In Time”が再録音され収録されたのだ。この時、”待ってました”と言うファンと”やはりパープルを捨てられない”という両極端の評価がされたいたのが記憶にある。 音楽性というとパープルのような派手さはなく、静かなロックといったイメージであった。そして1977年にいよいよIAN GILLAN BANDと名乗り始動となる。メンバーには、ギターに元スペンサー・デイヴィス・グループのレイ・フェンウィック、ベースにロキシー・ミュージックにも在籍していたジョン・ガスタフスン、ドラムにはロニー・ジェイムス・ディオのバンド、エルフに在籍していたマーク・ナシーフ、そしてキーボードには今後、IAN GILLAN BANDのサウンドの要となるコリン・タウンズが加入した。サウンドもハードさに加え、一瞬ジャズ・フュージョンのようにも聞こえるくらい技巧的な演奏であった。 IAN GILLAN BANDとしてのファーストアルバム「CLEAR AIR TURBULENCE」を1977年4月に発売し、同年9月にこのアルバムの初来日公演を迎えることとなる。来日時、アルバムを実質2枚しか発売していないのに武道館のステージに立ててしまうこと自体、やはりDEEP PURPLEの力は絶大であったに違いない。実際、この会場にいた私が感じたことは会場のほとんどがパープルのナンバーを期待していたという事であった。 ライブが始まるとその演奏のテクニカルさにびっくり! 変拍子ありのハードロックが実にウケていたのである。そして凄いのはこの時、新曲を数曲披露している。その曲こそが1977年10月に発売するセカンドアルバム「SCARABUS」に収録される曲なのである。なんと、1年に2枚もアルバムを発売するという技を!! そして収録されているパープルの銘曲、”Smoke On The Water”、”Child In Time”、”Woman From Tokyo”の3曲はどれも素晴らしい出来で、ギランの声もシャウトしまくっています。 特筆すべきところはこのライブアルバム、発売当時は2枚のレコードであった。1枚は前半部収録で1978年3月に発売、2枚目は後半のパープル曲収録部で1978年8月に発売された。2枚組で発売すれば良いのに引っ張りたかったのか、ⅠとⅡに分けて発売されている。そしてその10月に2度目の来日を果たすという、実に大人の事情で振り回されている感タップリなのである!(笑) もちろん、CDではこの2枚を両方収録で1枚になっています!! そして2014年4月、DEEP PURPLEが再び日本に帰ってきます。イアンをはじめ、ベースのロジャー・グローバーやドラムのイアン・ペイスも健在です。しかも東京公演は日本武道館。武器は総て揃ったという感じでしょうか! オープニングはやはりあの名曲なのでしょうか? ポール・マッカートニーの公演が終了した今、また楽しみが増えましたね!とにかくこの一枚を聞け!! バックナンバー |