Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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この一枚を聞け! [ONE OF A KIND / BRUFORD]



 今回ご紹介するアルバムは1979年に奇才ドラマー、ビル・ブラッフォードが作ったニューバンド、BRUFORDの「ONE OF A KIND」です。

 ビル・ブラッフォードといえばキング・クリムゾン、イエス、ジェネシスと有名プログレッシブ・バンドを渡り歩いてきた天才ドラマーであります。有名バンドを渡り歩いてきたと言う点では、コージー・パウエルに共通している部分もあるかも知れません。最近では”ビル・ブルーフォード”という呼び方が正しいとのことですが、70年代より”ブラッフォード”と呼んでいますので、文中もこれで通していきたいと思います。

 ブラッフォードはイエス脱退後、1973年からキング・クリムゾンに加入する。数々の名盤を作るが、私の中でのクリムゾン最高傑作「RED」を1974年に発売します。このアルバムの中でのブラッフォードのパーカッシヴ(あえてドラムではない)はキレッキレなのであります。しかし、このアルバムを最後に私の中での黄金期クリムゾンは解散してしまいます。

 その後、ジェネシスのツアードラマーやソロアルバムを作成後、1978年にプログレのスーパーバンド”U.K.”の結成することとなる。ベースにクリムゾンからジョン・ウェットン、ギターにはテンペスト、ソフトマシーン、ゴングに在籍していたアラン・ホールズワース、キーボードにはフランク・ザッパ、ロキシー・ミュージックに在籍していたエディー・ジョブソン、そしてドラムにブラッフォードと正にスーパーグループ。しかしアルバムを1枚発売するが、あっけなくギターのアランがクビになり、ブラッフォードも脱退してしまうのですワ!

 そしてそのギター、ホールズワースとビルが新たに組んだバンドがこのBRUFORDということなんです。ここまでが長かったですね(笑) 前記の2名に加えて、超テク・ベーシストのジェフ・バーリン、キーボードにはデイブ・スチュワートを起用した。といってもユーリズミックスのデイブ・スチュワートではありませんョ!

 路線的にはやはり”U.K.”っぽいところもありますが、自分はさらにPOPになっていると感じます。1曲目の”Hell's Bells”もタイトルとは大違いのポップなメロディーラインであります。そして大きく”U.K.”と違うところはインストルメンタル・アルバムということです。ただ、アルバムにはベースのジェフ・バーリンのところにVOCALSとも記載してあるのですが、どこで歌っているのやら・・・(笑) とにかく全曲にわたって素晴らしいドラミングが展開されていますので、バンドとして聞くのはもちろんですが、ドラムを聞き込んでも面白いかもしれませんネ。

 先日、休みの日に車の中でNHK-FMでやっていた「今日は一日、プログレ三昧」を聞いていました。10時間以上プログレのみで構成された番組なんて渋すぎますよね。司会は山田五郎さんで、ゲストには”イェ〜ィ”でおなじみの高嶋兄弟の兄である高嶋政宏さんでした。自ら”スターレス高嶋”と名乗る高嶋さんは無類のプログレ好き。というか無類のクリムゾン好きともいえるのです。その高嶋さんの聞き所や楽器に注目している点などが、私にドンピシャでございます(笑)きっとお話したら間違いなく共通する部分があるのではないかと思いました。

 そしてこのような番組はガンガン放送して、さらにプログレを普及させてほしいのもです。過去には「今日は一日、ハードロック・ヘビーメタル三昧」や「今日は一日、矢沢永吉三昧」なんて私好みの番組もありました。とにかくこの1枚を聞け!
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