もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
今回、紹介するアルバムはイギリスのバンド、SMALL FACESが1968年に発売した大ヒットアルバム「OGDEN'S NUT GONE FLAKE 」をご紹介しましょう。 最近、紹介するバンドは日本ではそんなにパッとしなかったバンドばかりですが、別に意図的にやっているわけではありませんので悪しからず(笑)。イギリスで60年代後期というとやはり、ビートルズやストーンズ、フーといったところが注目されがちではあるが、このSMALL FACESもなくてはならない存在なのである。ただ忘れてはいけない!この当時のどのバンドも皆、アイドルのような存在であったことを。今でこそストーンズはベテランの渋いバンドであるが、この当時はまさにアイドルバンドといっても過言ではないはずだ。 SMALL FACESはギター、ヴォーカルにスティーヴ・マリオット、ベースにロニー・レーン、ドラムにケニー・ジョーンズ、キーボードにイアン・マクレガンという布陣でこのアルバムを収録している。結成は1965年であるが、レコード会社の移籍等でバンドが存在した4年間の間に確か3枚ほどのアルバムしかリリースしていないのだ。 当然、60年代でありますからサウンドは70年代ロックに比べると非常にポップに感じる。しかし、この時代にはきっと不良っぽい音楽なんではないかと勝手に思っているのである。 1967年にビートルズが歴史的名盤「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band 」を発売する。このアルバムはご存知の通り、コンセプトアルバムである。今ではあまり聞くことがなくなったが、コンセプトアルバムとは一つのテーマを題材に物語のような感じで作られたアルバムの事を言う。最近のバンドで例えるならGREEN DAYの”American Idiot”や日本では布袋さんの”GUITARHYTHM ”なんかがそれだ。 60年代後期、アーティストはビートルズにあやかりたいのか、こぞってコンセプトアルバムを発売した。何を隠そうこの「OGDEN'S NUT GONE FLAKE」である。しかも、全英でNo.1を獲得しているのみも関わらず、ビートルズの「Sgt Pepper's 」みたいに日本ではあまり有名でないのが、このバンドの渋さでもあると勝手に感じているのだ。 たった4年しか活動していなかったが、このバンドのメンバーはこの後、更に有名になっていくのがなんともカッコイイ。スティーヴ・マリオットはHumble Pie の中心人物、残りのメンバーはロッド・スチュワートをボーカルに、ロン・ウッドをギターに加え、FACESを始動させることとなる。しかも、ケニー・ジョーンズは後にTHE WHOの正式メンバーに、イアン・マクレガンもストーンズでカッコいいオルガンを弾いたりと大活躍である。 だが、ベースのロニー・レーンだけは少し他のメンバーと違っていた。70年後期に多発性硬化症と診断され、音楽活動に支障をきたし始めるのだ。そしてそのトリビュートとして1983年に「ARMS CONCERT」と称し、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックが一堂に会して、1夜限りのセッションが行われたほど。しかし、長い闘病生活の末に1997年に他界してしまう。これもロックなのでしょうか。 最近、若者の洋楽離れが進んでいると言うニュースを耳にした。残念なことである。確かにJ-POPやJ-ROCKも面白いだろう。しかし、そのアーティストたちは皆、洋楽を聴いて育ってきたはずだ。そのBack To Rootsをするだけでドンドン面白くなってくるはずである。どんなきっかけでも良いから洋楽を聞いてもらいたいものだ。楽しいよ〜、とにかくこの1枚を聞け!! バックナンバー |