もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
スノーウィー・ホワイト。日本ではなかなか馴染みのないギタリストではあるが、欧米では非常に名が通ったギタリストなのです。今回はそのスノーウィーが1994年に発売したソロアルバム、”HIGHWAY TO THE SUN”をご紹介しましょう。 スノーウィーの経歴でまず一番触れておかなければならないのは、ピンク・フロイドでの活躍である。1977年に発売されたフロイドのアルバム「ANIMALS」のツアーより、サポート・ギタリストとして参加したのが最初の注目点。デヴイッド・ギルモアの音圧をしっかり補佐していたのはスノーウィーといっても過言ではない。 この時代、名前が表に出ることはほとんどなかったが、当時のフロイドのステージ写真等を見ると端のほうにもう一人ギターがいることがわかる。さらに80年に発売したコンセプトアルバム「THE WALL」でのツアーでは無くてはならない存在になっていた。フロイドで大活躍のスノーウィーであるが79年からなんと、シン・リジーのギタリストにもなっている。 ゲイリー・ムーアが加入し、勢いよく活動していたリジーであったが、気まぐれゲイリーの脱退により後任ギタリストに選ばれ、来日まで果たしている。このときの日本公演は当初、ゲイリーが来るという告知であり、途中から変更となったためかなりのブーイングを受けていた記憶がある。そもそもハードロックが似合うギタリストではないので82年にリジーを脱退し、ソロ活動やスタジオワークに入った。 94年にこのアルバムを発売したのだが、参加してくれたアーティストがその過去のワークでネックとなった人物がところどこに登場してくるのがすばらしい。全体的な出来上がりとしてはホワイトブルースが基本であるが、アメリカっぽいホワイトブルースではなくイギリスのかっちりとしたつくりが非常に心地よく感じる。 まず参加の筆頭はデヴイッド・ギルモア。聞けばすぐわかるギルモアサウンドを”Love, Pain & Sorrow"で披露している。そしてゲイリームーアが”Keep On Working”でイカしたブルースギターを弾いている。リジーの時のお詫びなのか定かではないが、自身もブルースに転向したことなので非常にマッチしている。他にもポールロジャースのFREEに参加していたキーボードのラビットやクリス・レアなどが参加しているのも注目点です! そしてスノーウィーのトレードーマークといえば、ゴールドトップのレスポール。フロイド時代はモチロンのこと、リジー時代にも登場。最近ではもとピンクフロイドのベーシスト、ロジャー・ウォータースの「THE WALL」発売30周年を記念したソロ・ツアー”The Wall Live”でそのカッコいいギターを炸裂している。決して派手なギターではないが、その存在感はかなりのものと感じるのです。とにかくこの1枚を聞け! バックナンバー |