もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
今回は79年に発売されたジューダスプリーストの初ライブアルバム、「UNLEASHED IN THE EAST」を紹介しよう。このアルバムは1979年に2度目の来日を果たしたときの東京中野サンプラザ公演を収録したものである。 70年後期は”ライブ・イン・ジャパン”が多発された時期で、UKの「Night After Night」、スコーピオンズの「Tokyo Tapes 」、チープトリックの「Cheap Trick at Budokan 」、ウイッシュボーン・アッシュの「Live In Tokyo」等、ありとあらゆるジャンルのバンドがリリースした。ライブ盤は臨場感やバンドのグルーブが非常に良く伝わり、ファンにとってはたまらない素材であったと同時に、見にいけなかったアーティストを知る格好の方法でもあったのだ。 ジューダスの初来日は1978年。6月にヴァン・ヘイレンの初来日公演を新宿厚生年金会館に見に行き、翌月7月にジューダスを見に再び厚生年金会館に行ったのをよく覚えている。また、この時代のコンサートのほとんどは開演前に幕が上がっており、ステージの機材がしっかり見えるのがパターンであった。しかしジューダスは幕が閉まっており、オープニングSEと共に幕が上がり、腰までドライアイスに埋まったメンバーが背を向けている。1曲目の”Exciter”が始まると正面を向き観客をあおるという古典的ではあるが、とてもかっこいいオープニングであったのも覚えている。 ただこの初来日公演とこのアルバムを収録した2度目の公演では大きく違うところがあった。それはメンバーの衣装である。初来日の時はそれぞれタカラヅカのようにヒラヒラしたヴュジュアル系の衣装を着ていた、特にヴォーカルのロブ・ハルフォードは白い衣装だったように記憶している、しかし、2度目はどうでしょう! ほぼ全員レザーでキメテいたのです。この時もロブの変貌は特に物凄かったのです。今ではジューダス・プリーストのトレードマークでもあるレザー・コスチュームはこのときから境にエスカレートしていくのです。(笑) 当時、レコードでこのアルバムが出たときはA/B面合わせて本編9曲の構成で、初回限定だったかは定かでないが、4曲入りのシングル盤が付いていたのだ。後にCD化になった時、このシングル盤に入っていた4曲が省かれていてとてもガッカリした憶えがあります。しかし、リマスター化されたときにはシッカリと収録され全13曲となっています。これによってライブの流れがよく解るように収録されているのです。 また、ジューダスで最もメンバーチェンジが激しいのがドラマーで、初来日時に加入していたレス・ビンクスになるまで3人も変わっている。そのうちの1名はサイモン・フィリップスであるのも有名な話。そして、このレス・ビンクスのドラミングが非常にカッコイイのです。この時代、2バスをこんなに早く叩ける人が居ただろうかと思うほど。今、聞いてみると大したことないがこの時代はこれでも凄かったのです。ビンクス脱退後、一番長くジューダスのドラマーであった元トラッピーズのデイブ・ホーランドや現ドラマーのスコット・トラビスもイイが、やはり私はこのレス・ビンクスを押したいところである! 昨年、ジューダス・プリーストとして最後のワールドツアーに出ることを発表。実質、解散という事になる。2011年になってからはオリジナルメンバーのギター、K・K・ダウニングの脱退も発表された。そして2012年、その最後のジューダス・プリーストが日本にやって来る。ヘビーメタルが高年齢化と共にバンドがどんどん消えていく中、最後の大物の一つがまた消えようとしている。メタルが余り好きではない方もコレは見ておくべきだ!そしてこの1枚を聞け!! バックナンバー |