Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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この一枚を聞け! [THE OTHER SIDE OF THE MIRROR / STEVIE NICKS]



 今回紹介するアルバムはフリートウッド・マックのフロント・ヴォーカリスト、スティーヴィー・ニックスが1989年に発売した4枚目のソロアルバム「The Other Side Of The Mirror 」です。

 フリードウッド・マックは日本でこそ余り知られていないバンドであるが、欧米では物凄い地位に居るバンドなのです。結成は1967年であるが、そのときの中心人物はジョン・メイオール&ブルースブレイカーズのギターリストであったピーター・グリーンである。バンド名も”ピーター・グリーンズ・フリードウッド・マック”と名乗っており、ブルースが主体のバンドであった。

 この頃の音源は後に数多くのアーティストがカバーしている。意外と知られていないがサンタナの”Black Magic Woman"も元はこのバンドの曲なのです。その中心人物のピーター・グリーンが薬物中毒等で戦線離脱、後に幾度かのメンバーチェンジを繰り返し、1974年に遂にスティーヴィー・ニックスの加入となる。

 ニックス加入後、翌75年にアルバム「Fleetwood Mac」を発売。そのアルバムが念願の全米1位となる。しかし、快進撃は止まらなかった。77年に発売した名盤「Rumours」は全米、全英他数各国で1位となり、78年には「Rumours」がグラミー賞・最優秀アルバム賞に輝き、正に歴史に残る名盤となった。

 80年代に入るとそれぞれのメンバーがソロ活動を並行してはじめることとなる。スティーヴィーもご他聞にもれず、81年にファーストソロアルバム「Bella Donna 」を発売。2枚目のソロアルバム「The Wild Heart 」も大ヒットとなった。そして今回紹介するソロアルバム「The Other Side Of The Mirror 」は前作の「Rock a Little」同様、決して物凄く売れたとはいえないアルバムなのです。しかし、その玄人っぽい参加アーティストの人選等に私は惹かれたのです!

 まずはベースにキング・クリムゾンのスキンヘッド(失礼)、トニー・レビン。ドラムにはジェフ・ダグモア。このジェフこそ、私が崇拝する日本のスーパースター、矢沢永吉のお抱えドラマーなのです。もう一人のドラマーがリック・マロッタの弟でもある、ジェリー・マロッタ。そしてピアノにはあのブルース・ホーンスビーが参加し、あまり売れていない頃のケニーGもサックスで参加しているのです。

 この豪華なアーティストの中でしゃがれた声でお色気を振りまく、スティービー嬢は相変わらずオーラが全開に出ているのであります。また、このアルバムを聞く時は必ず日本盤をオススメする。ボーナストラックで前作「Rock a Little」の最後の曲”Has Anyone Ever Written Anything For You ”のライブが収録されている。スティービーのソロライブ映像の「Live at Red Rocks 」からの収録であるが、そのパフォーマンスのクオリティーの高さは必聞である。

 余談ですが、ジャック・ブラックが主演した映画「スクール・オブ・ロック」の中でジャック扮するデューイが勤める学校の女校長がスティービー・ニックスが大好きだという設定なのである。確かにロックが面白おかしく描かれてる映画であるが、スティービーを持ち出すところなどが、マニアックでさすがアメリカという感じなのです。ヴィンテージ・ロックが好きな人ならこの映画は必ず見てください。最強に笑えます。

2003年にはフリートウッド・マックが黄金期メンバーで復活を果たし、ツアーも回ったのが記憶に新しい。そしてスティービーは恩年、62歳のはずである。先日までロッド・ステュワートとカップリング・ツアーを行っていたようであるが、二人合わせたら年齢はいくつになるんだ・・・? ロックには年齢など関係ないのです! そしてこの1枚を聞け!!

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