Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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この一枚を聞け! [DEREK & THE DOMINOS / IN CONCERT]



 デレク&ザ・ドミノスというとやはり「いとしのレイラ」と言うのが当たり前だと皆さんお思いでしょうが、実はライブアルバムを出しているのはあまり知られていないのです。今回、紹介するアルバムはそのデレク&ザ・ドミノスが70年10月、ニューヨークのフィルモアイーストで行った実況録音盤(古っ)をご紹介しましょう。

 バンドの中心人物はいわずと知れたエリック・クラプトン。そのクラプトンが60年代後半に作ったバンドで「ブランドフェイス」というバンドがある。そのブランドフェイスがアメリカンツアーを行った際に前座を務めたのが、デレク&ザ・ドミノスの前身ともいえるデラニー&ボニーである。

 デラニー&ボニーはアメリカの夫婦デュオで、このバックバンドで演奏していたのがデレク&ザ・ドミノスのクラプトンを除くメンバーであった。そしてブランドフェイス解散後、クラプトンはなんとこのデラニー&ボニーのバンドに加わる。そこでこのバンドメンバーと非常に仲良くなり、遂にはこのメンバーを引き連れ、自身のバンドとなるデレク&ザ・ドミノスを結成してしまう。デラニー&ボニーにしてみれば実に迷惑な事であったろう!

 そしてデレク&ザ・ドミノスは70年にゲスト・ギターリストにデュアン・オールマンを迎えて名盤「Layla and Other Assorted Love Songs」を発売する。そして”Layla”はロック史上に残る名曲となって未だに聴かれている。このアルバムには” Layla”以外にも”Bell Bottom Blues ”や”Tell The Truth ”等の名曲がたくさん含まれている。

 バンドは2作目のレコーディングに入るがドラムのジム・ゴードンとクラプトンの仲たがいであっけなく解散してしまう。あれだけの名盤を残しておきながら即解散してしまう、そのクラプトンのワガママぶりに乾杯です。(笑)という事でこのアルバムは解散後の1973年に発売されている。曲の内容は明らかにブルース色が濃くなっていて、当時LP2枚組みでありながら全8曲という演奏時間の長いものばかりである。最初聞くと少し飽きるかもしれませんが、聞き込んでみてください!クラプトンのギターが非常に冴えていると私は感じます。

 解散後、クラプトンも含めバンドメンバーは波乱な人生を歩みます。ベースのカール・レイドルは80年にドラックで死亡。クラプトンもドラッグ中毒で大変な時期であった。ドラムのジム・ゴードンにいたってはドラッグに溺れミュージシャンを引退、その後1983年に精神を患い母親を殺害してしまう。生きていれば現在も服役中ということになる。

 すべての成り行きがロックであるこの時代のアルバムはどれをとってもハズさないのはどうしてなのであろうか。生と死が隣り合わせにある分、凄い作品が出来るという事なのか・・? ムズカシイ・・・ とにかくこの1枚を聞け!!

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