もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
今回紹介するアルバムはご存知、QUEENのフレディー在籍時最後のアルバム「INNUENDO」である。QUEENを紹介するなら「A Night at the Opera」等なのだが、そこはこのコーナーなので、少しマニアックの路線をご紹介いたします。 1991年11月24日、エイズを患っていることを告知した翌日に他界してしまったヴォーカル、フレディー・マーキュリーであるが、既に他界して20年近くの月日が経つのだ。このアルバムはそのフレディーの体調が良いときにレコーディングされた正に遺作なのである。 クィーンはデビュー当時、イギリスではかなりの人気であったがアメリカではイマイチ評価が高くは無かった。75年当たりから日本で強烈なブームとなり、この年に発売されたアルバム「A Night at the Opera」は全米でも大ヒットとなった。その後、音楽スタイルを変化させていくが80年代に入ると、それぞれのメンバーのソロアルバム製作が盛んになり、QUEENの解散説が流れるようになった。しかし、85年の夏に行われた"LIVE AID”でのパフォーマンスが起点となり再びバンドは息を吹き返すこととなる。このときの映像が最近DVD化されたが、ライディングや何時ものサウンドエフェクト等が全く無い中、スタジアムのオーディエンスを1つにしたのはQUEENだけではないかといわれるくらい圧巻のステージである。 しかし、この後86年に発売されたアルバム「A Kind of Magic 」で行ったツアーがQUEEN最後のツアーとなることになる。その原因はフレディーのエイズの発症であった。今回紹介するアルバム「INNUENDO」の前作、「The Miracle 」あたりからフレディーの面影がやせて見えたり血色が良くなかったりするのはそれが原因だろうと思う。 そしてこのアルバムは89年の暮れにレコーディングが始まる。冒頭でも申したように、全てフレディーの体調が良いときにレコーディングされているため、その内容は病魔に冒されてる感は全く無く、どちらかというと鬼気迫るくらい声も出ているように感じます。 全体的なサウンドは非常に重くなっていてハードな曲から泣けてくるようなバラードまで捨て曲無しといったアルバムである。特に”HEARLONG”などは昔ながらのQUEEN・ハードロックであるし、”THESE ARE THE DAYS OF OUR LIVES”などはフレディーの魂がシッカリ伝わるバラードに仕上がっている。これは有名な話であるがこの曲のPVを見ていると良くわかるのだが、やせ細ったフレディーが渾身の力で歌い、最後の歌詞である”I Still Love You"と歌うところは全ての人に別れを告げているようにも感じられる。まだ見たことのない方は”LIVE AID”の映像とあわせて見ていただきたい。 1991年1月にこのアルバムが発売されるが、死去するまでの間もレコーディングは続けられていた。フレディーの体調にあわせ何時でもレコーディングが出来るよう、他のメンバーがいつでもスタンバっていたのも有名な話である。そしてこの音源はフレディーが他界してから4年後の95年に「Made In Heaven 」として世に出ることとなる。 QUEENは現在でも元FREE、BAD COMPANYのポール・ロジャースと活動を共にしている。しかし、QUEENのヴォーカルはやはり後にも先にもフレディーしかいない!あの趣味の悪いステージ衣装(笑)とあの声は代わりができるものは居ないのです。とにかくこの1枚を聞け! バックナンバー |