もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
Rushがデビューしたのは1974年。当初はツェッペリンを髣髴させるハードロックバンドであった。しかもアルバムの楽曲はほぼステージで再現できるバンドとして有名であり、今もそのスタイルは何も変わっていない。バンドの編成は最低限の3人であるため、一人何役もこなさなければならない。プログレではよくあった演奏法をハードロックバンドで取り入れていたのはRUSHが初めてではないだろうか。 今回紹介するアルバムは90年後半に発売された名盤「TEST OF ECHO」にともなったツアーを収録したのが本作品「DIFFERENT STAGES・LIVE 」である。今ほど紙ジャケが出まくっている時代でない90年後半に、非常に豪華なジャケットで発売されている。しかも初回盤には当時のコンサートパンフレットのミニチュア版が付いている丁寧さだ。 そして更にスゴイのはボーナス・ディスクとして78年、ロンドンのハマースミス・オデオンで行われた音源が付いている!76年に発売されたライブアルバム「ALL THE WORLD' A STAGE」と聞き比べてみるとパフォーマンスのクオリティーが更に上がっているのが良くわかる。 もちろん本編のディスクのサウンドクオリティーも凄い。ライブとは思えない演奏力はもちろんであるが、新旧取り混ぜたセットリストは非常に飽きることのない内容に仕上がっている。特にドラムのニール・パートの独壇場といってもいい曲”The Rhythm Method”は圧巻である。エレドラと生ドラムをリンクさせてのドラムソロを完全に曲に仕上がっているといっても過言ではない。 84年にRushが初来日した際にもエレドラと生ドラムを前後にセットアップし、ニール自身が180度回転し叩くという技を見せた。このときドラムの山台(セットアップしてある台の事)ごと回転したのも素晴らしかった。しかし、このときよりさらにグレードアップしているソロなのだ。そもそもソロが始まると日本ではトイレタイム的に会場を一旦出る方もいる程であったが、ニールのソロは絶対に見なければならない見せ場の一つであると私は思うのです。 よくRUSHのバンドジャンルをプログレだとかハードロックだとか決めたがる人がいますが私はこの中間を行くのがRUSHだと思うのです。超大作の楽曲もあれば非常に重く速い曲もありますので、ジャンルわけしたがる傾向はある意味日本人の悪い癖かもしれませんな。昔、AC/DCのアンガス・ヤングが「あなた方はヘビーメタルですか?」という質問に「俺たちはロックンロール・バンドだ!」と答えたと聞いています。コレに全てが集約されているように思いますね。 バンドは一時期活動を停止していた。ニールパートの家族が相次いで他界、ショックを受けこのままバンドは解散かというような時期もあったほど。しかし、ニールは立ち直り、2005年には結成30周年記念コンサートも開くことが出来た。この勢いで日本に来てくれないかと思うのですが、カナダやアメリカほどに日本にRUSHファンが入るとは思えない(悲)。ギャラが物凄いとも言われているが日本であのサウンドを聞きたいよね〜!とにかくこの1枚を聞け!! バックナンバー |