もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
ドクター・フィールグッドのオリジナル・ギターリストでもあり、パブロック界 の重鎮、ウィルコ・ジョンソンの79年発表のこの作品。フィールグッド脱退後 に出したこの作品であるが、たった1枚でこのソリッドセンダーズはなんと解散! しかし、マシンガン・ギターは健在で、ライブでの定番「EVERYBODY'S CARRYING A GUN」や「DR.DUPREE」はこのアルバムに入っている。 このバンドを組む前にウィルコは一時期、イアン・デューリー&ブロックヘッズ に在籍しており、その直ぐ後にこのバンドを結成する。ウィルコ以外、全く他の メンバーの名前すら解らないが、ウィルコにとって非常にキーポイントになって いるアルバムだと私は思う。しかもこのアルバム全17曲中、12曲目からは当時の LIVE EPがプラスされており、非常に濃い内容である。 私が初めてウィルコをこの眼で見たのはこのアルバム発売の9年後1988年で、 場所は今は無き、芝浦インクスティック・ファクトリーであった。 このときの面子が非常に濃く、ベースは今も右腕の”ノーマン・ワットロイ”。 彼は元、ルー・リードや前記のブロックヘッズでもベースを弾いていた。そして ドラムは”サルバトーレ・ラムンドー”。一度聞いたら忘れないようなインパクト のある名前である。噂には聞いていたが出てくるや否や、左右に妙な移動で動き 回り、カールコードが延びきって、目は遠くを睨み付けている。正に噂どおりの ギタープレイでノックアウトされた。 サウンドはギミック無しのノン・エフェクト・テレキャスサウンド! これでも かと言う位にシャープにしており、アンプはJC-120を使用。この時はトレードマーク の60年前期のブラックのTLに赤ピックガード、サブにF/Jの同仕様の物を用意して いた。(数年後からF/Jがメインになっていた)これに影響受け、当時エレキギター 担当をしていた私はフェンダー・ジャパン社にこのテレキャスをオーダーし、よく 販売したのを覚えております。また、マシンガンギターの由来はギターをマシンガン の様に構えて、客席に向かって弦をピックで叩き撃ちまくる姿から生まれたのである。 そのウィルコであるが2004年に奥様が癌により他界。そのショックから2年近くの間 一線から退いていたが2005年後半から精力的に動きだし、現在ではイギリスを中心に クラブ・ツアーを行っているようだ。パブロックの由来こそ”パブのような場所”で 常に演奏されている事から付いたので、クラブ・ツアーは正にウィルコの専売特許の ようなもの。2003年頃に来日した際には三軒茶屋のライブハウスで行っていた。 ここしばらく健在な姿をみていないため、また来日してもらいたいものだ! このアルバムも優れているが、ノーマン・ワットロイとサルバトーレ・ラムンドーとの トリオで演奏されているライブ・アルバム「DON'T LET YOUR DADDY KNOW」も最強である 事を付け加えておこう。 |