もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
2002年にプログレ・ファンにとってはたまらないバンドが結成された。バンド名からキング・クリムゾンが関わっていることは誰でもわかる。そのメンバーと言えば主に初期のクリムゾンに在籍していたメンツで、サックスにメル・コリンズ、ドラムにマイケル・ジャイルズ、ベースにピーター・ジャイルズ、キーボード&フルートにイアン・マクドナルドで、ギターリストのみ元レベル42のメンバーであったジャッコ・ジャックジックを加入させている。 そのバンドが結成まもなく日本にやってきた。このアルバムはその初来日公演の模様を収めたライブ盤となっている。演奏している曲が気になるところであるが、初期のアルバム「In The Court Of The Crimson King 」や「 The Wake Of Poseidon 」、「Islands 」といった完璧なクオリティーで聞いたらサブイボものの楽曲ばかりなのである。 誰もが思うところではやはり年をとった分、演奏力が落ちるのがリユニオン・バンドのパターンであるが、このバンドは意外にも(失礼)かなりのクオリティーで再現している。真のクリムゾン・ファンにいわせればロバート・フィリップがいなければありえないという楽曲なのであろう。しかし、現在のクリムゾンは私の好きな音楽ではないスタイルとなっているため、このバンドの仕上がりが良く聞こえてしまうのだろか。 クリムゾンの曲を演奏する元クリムゾン・アーティストに私の大好きなジョン・ウェットンがいるが、彼がステージで演奏するクリムゾンのアレンジは私的にはイマイチなのである。しかしこのアルバム収録の”In The Court Of The Crimson King ”や”Epitaph”は当時のアレンジに限りなく近づけ、それでいて現在のテクノロジーに音を乗せているところがとても心地よい。 そして最後に演奏の代表曲”21st CENTURY SCHIZOID MAN”に関して言えば、間奏部にあるサックスソロが素晴らしい。イアン・マクドナルドとメル・コリンズのダブル・サックス・ソロなので、ここはぜひ聞き逃さないでほしい。 しかし、プログレバンドの悪い癖が来日後の2003年にバンド内に起こる。ドラムのマイケル・ジャイルズの脱退である。良くあることだから驚きはしないが、その後釜に加入したのがこれまたクリムゾン・ファミリーであったイアン・ウォーレスなのだ。ここまでくるとビル・ブラッフォードでも良いのではと勝手に思ってしまう。 そしてこのメンバーで2003年に再来日。しかし、柳の下にドジョウは2匹いなかったようで、この時の公演はだいぶ不入りだったようである。しかし、私の大好きな曲”Starless”を演奏したらしい。それだけ聞きたかったな〜!そして2007年にはイアン・ウォーレスが他界し、バンドの活動はフェイドアウトしてしまう。少し残念です。とにかくこの1枚を聞け! バックナンバー |