もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
プログレを聞く人なら誰でも知っているバンドであるが、聞いたことのない人にとってはバンド名を言われても解らないようなバンドが「The Nice」だ。しかし、エマーソン、レイク&パーマーと言えばだれでも知ってるであろう。何を隠そうそのEL&Pのキーマンでもあるキース・エマーソンが在籍していたバンドが「The Nice」なのである。 今回、紹介するアルバムはその「The Nice」が1969年に発売した3枚目のアルバム”NICE"です。どっちがアルバムタイトルかわからないですよね。しかし、邦題はかなり笑えます。なんと、”(ジャズ+クラシック)÷ロック=ナイス”という解り易いタイトルになっていますが英タイトル”NICE"がどうしてこうなってしまうのかが不思議なのが邦タイトルなのです。KISSの名曲”I WANT YOU”なんて、邦タイトル”いかすゼあの娘”ですよ。しかもあの娘と書いてアノコですから・・・【笑】 ナイスが結成した当初はバンドにギターリストが存在しており、4人組であった。しかし、セカンドアルバム”ARS LONGA VITA BREVIS”発売時にはドラッグ漬けになったギターリストを解雇し、3人組みになった。この時後にイエスに加入するスティーブ・ハウがThe Niceに加入し活動を共にするという噂はプログレ界では有名な話である。しかし、それが実現しなかった事でこの後、エマーソンは全てトリオで活動していくことを決断したとも言われている。 ファーストアルバムではギターがいたため、かなりビートのきいたサウンドに仕上がっていたが、”ARS LONGA VITA BREVIS”からは組曲を盛り込み、オーケストラも導入することによってよりクラシック色が強くなっていく。しかしこのアルバム"NICE”では、3人のバンド色を前面に出すことでロック色も強くなってきている所が非常に良い!この流れがEL&Pにつながったと言っても過言ではないだろう。 そして更にこのアルバムを熱くさせるのはB面である(アナログ盤の話です)。ニューヨークにあるフィルモア・イーストで69年に行われたライブの実況録音盤になっている(古い表現!)1曲はEL&Pのライブでもエマーソンのソロに盛り込まれていた名曲”RONDO”。もう1曲はボブ・ディランの”She Belongs To Me”であるが、原曲を全く無視したアレンジが非常にエマーソンらしくてアグレッシブな曲に仕上がっているのだ。 そして70年にアルバムを1枚出したあと、”The Nice”は解散。その後、EL&Pの結成へとつながっていく。また”The Nice”のオリジナル・アルバムは4枚であるが、このバンド何かとベストやコンピレーション・アルバムを良く出しているので注意したところでもある。 この間、キース・エマーソンが来日していた。ニューアルバムを出しての来日であったが、やはりライブのセットリストを見ると往年の名曲がズラリ!仕事でいけなかったが若干後悔してます。また、来日してくれるかな〜、とにかくこの1枚を聞け! |