もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
アーティスト名を並べてあるだけのバンド名、しかもこれってYESそのものじゃんと思うのですが・・・、きっと大人の理由でこのようなバンド名にしなくてはならなかったのだと思います。今回はANDERSON BRUFORD WAKEMAN HOWE のアルバムを紹介しましょう。 当然、このバンドのアルバムは1枚しか出ておりません。(ライブ除く)というのもベースにクリス・スクワイヤが加入すればYESなんですから。実に紛らわしいがアルバムの出来としてはなかなかのモノとなっています。このアルバムは89年に発売されていますが、この前後YESにとっても非常に低迷していた時期でありました。 83年にギターリストにトレバー・ラビンを迎え、今までとは違った音楽性のバンドに仕上げてアルバム「90125」をリリースした。案の定、新しいサウンドが認められ大ヒットし、プログレバンドから脱却したかのように見えた。その後、同じような路線で数枚アルバムを出したが、やはりファンは昔の曲をライブで聞きたいので次第に低迷していった。そして満を持してこのメンバーでの復帰となったが、バンド名が正に大人の理由なのである。最近ではロニー・ジェイムス・ディオ率いるブラックサバスがサバスを名乗れず”Heaven And Hell ”と名乗っているのも大人の理由であろう。 このアルバムでのサウンドは正に昔のYESそのものである。分厚いサウンド、特徴ある詩、変拍子、そしてロジャー・ディーン作のアルバムジャケットと文句のつけようがないのだ。特にブラッフォードのドラムは非常に素晴らしい!時折混じるSIMMONSのエレドラサウンドが実に時代を物語っている。そして何より曲が長いのがイイ!プログレ嫌いの人はまずこの点を上げる人が多いが、やはり3〜4分では起承転結がはっきり伝わらない感じがするのだ。最低でも7分以上は必要ですネ。 そしてこのバンドにはベースが正式メンバーとなっていない。クリス・スクワイヤを加入させればいいのに、意地を張っているのか拒んでいるのか解らんけど、ベースにはトニー・レヴィンが参加している。クリスのドライブ・ベースサウンドと異なり、STICKを使用しているので非常にパーカッシヴなベースサウンドも新鮮である。ちなみにこのメンツでライブアルバムを出しているがベースには技巧派のジェフ・バーリンが加入しており、他にもギターが1名、キーボードが1名参加している。 90年にはめでたく来日を果たし、生まれて初めて生で”Close To The Edge”を聞いた。メンバーは若干違うがその音の洪水に正にノックダウン!(表現が古いか?)オリジナルに近いメンバーでやっているのだから当たり前なのだが完全再現であった。途中の♪I Get Up 〜I Get Down〜を目をうるうるさせながら口ずさんでいたのが懐かしいです。とにかくこの1枚を聞け! |