もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
今回紹介するのはリック・ウェイクマンが25歳の時に発表したソロアルバム第2弾「地底探検」(邦題)。アルバムタイトルもディズニーのアトラクションのようなタイトルではあるが、れっきとしたイエスのキーボードのソロアルバムだ。 73年、イエス絶頂期に発売したソロアルバム「The Six Wives of Henry VIII 」はイエスのライブでもその収録曲がプレイされるなど、リック・ウェイクマンの名を世界に届かせるアルバムになった。その翌年に発売になったのがこの「JOURNEY TO THE CENTRE OF THE EARTH」である。前作のアルバムはスタジオ録音であるがこちらはライブ録音である。 といっても通常のライブ録音と違い、過去の曲が収録されているのではなくいわゆる新曲をそのまま一発録りしたのだと思ってくれれればいい。 このライブは1974年1月に収録されており、共演はロンドン交響楽団とロンドン室内合唱団である。これだけ聞いただけでもプログレである。収録曲は全4曲であるが、4部作という意味なので全1曲としてみてよいだろう。このライブ、1部が前作「The Six Wives of Henry VIII 」の曲を行い、2部が「JOURNEY TO THE CENTRE OF THE EARTH」を演奏し、その2部の部分をを全て収録してる。 バンドメンバーは前作収録に参加したアーティストをほとんどバンドに加入させており、その中にはロッド・スチュワートそっくりな歌声で当時話題だった、ゲイリー・ホプキンスも参加している。このゲイリーは後にフェイセスやフリーに参加していたテツ山内が帰国した際に結成したバンド、テツ&グット・タイムス・ロール・バンドにも参加し、日本でアルバムも発売している。 楽曲はとにかくクラシックである。壮大さは大げさといってもいいほどでとにかく起承転結が素晴らしい。ライナーに記載の歌詞の意味をみても、戯曲みたいで良くわからない。しかし、そこは曲で感じてもらえればいい作品だと思うのだ。驚くべき点はこのときのリックの年齢である。若干25歳なのである。やはり大成するアーティストはこの時点で出来が違うのだ! そして、このアルバムが全英No.1になった74年5月にリックはイエスを脱退する事になる。ソロ活動でも十分自分を表現できるとこのとき感じたに違いない。しかし、この後リックを含むイエスのメンバーは何度も加入や脱退を繰り返す事になることは、この時知る由もなかったであろう。 そして最近再び、イエスが動き出した。残念ながらリック・ウェイクマンは加入していないが、その代わり彼の息子が参加しているようだ。ヴォーカリストのジョン・アンダーソンの病からツアーは延期になったが、完治した際にはまた皆の前にその雄姿を見せてくれるであろう。とにかくこの1枚を聞け! |