もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
80年代初頭に結成されたスーパー・バンド、”ASIA”(エイジア)の83年に発売された2作目を今回は紹介しよう。イエス、キング・クリムゾン、エマーソン・レイク&パーマーとブリティッシュ・プログレシーンを築いてきたともいって過言ではないメンバーが揃って結成されたバンドである。 最初、このアルバムをプログレとして扱っていのか迷ったが、我が家のCDラックのプログレ・コーナーに入っていたからそのまま紹介させてもらうことにした。81年にこのバンドの結成が表に出てきたとき、きっと”UK”のように変拍子ガンガンのバンドが出てくるのかとワクワクした。そして遂にファーストアルバムを手に入れ、音を聞いた時に愕然とした! まず、第一印象は”なんだこのPOPS音楽は?”です。正直、いきなり変拍子で勝負してくると思いきや、メチャメチャ軽めのサウンドでチャートに出てきそうなメロディーラインとビックリした人は少なくなかったはずだ。反面、このメンツがそろってあえて”これだけのポップス”を作ってしまうその度胸に感動したほどである。 案の定、ASIAはMTVチャートにしっかり出て、しかもLPチャートはナント全米No.1にもなってしまった。あの、スティーヴ・ハウやカール・パーマーがMTVの常連になったのである。うれしいのか悲しいのかファンにも解らなかったがただ、このアルバムはとにかく聞きまくったのである。 そしてその上り調子のASIAが83年に発売したアルバムこそがこの「ALPHA」である。楽曲的には更にポップさに磨きがかかり、万人にション・ウェットン様の声を聞いてもらえる作品に仕上がっている。ファースト・シングルでもある1曲目の”Don't Cry”も非常に良い曲であるが、2曲目の”The Smile Has Left Your Eyes”は特に最高である。当時、MTVで流れていたこのPVも非常に良く出来ており見る価値アリである。しかし、プログレバンドにいた人のPVではない仕上がりになっている事も頭に入れておきたい。 アルバムジャケットはプログレ界の専属デザイナーとも言える、イエス等のジャケットも手がけている”ロジャー・ディーン”の作品である。ファーストアルバムも勿論、ロジャーの作品である、これだけでプログレなんですよ〜! そしてこの年、ASIAは日本に初来日することになる。しかしそこはプログレバンド出身で、来日時はベース&ボーカルがEL&Pのグレッグ・レイクになっていた!(この内容はメルマガVol.19を見よ)そして、その後またジョン・ウェットンが戻るという良くわからないバンド状況。これもまたプログレ・バンドということで・・・? そして今年またそのASIAが来日した。2年前に見に行ったがそのメンツでの来日であるようだ。実際に来日してからじゃないと信用は出来ないが、このオリジナルメンバーでファースト・アルバムも全て再現する日も用意されていたらしい。見たかったな〜!とにかくこの1枚を聞け! |