もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
ワイト島でジミヘンがギターをかき鳴らしている時、このバンドの前身でもある内田 裕也率いる”フラワーズ”が事実上解散し、ボーカルのジョー山中とギターの石間秀樹 が参加し、”FLOWER TRAVELLIN' BAND”の誕生となる。 初アルバムは70年に「ANYWHERE」と言うアルバムを出しているが、オリジナルではなく クリムゾンやサバスなのどコピー曲で形成されている。ジャケットもメンバー全員が 全裸でバイクに乗っているという当時の背景にあったデザインであった。そして71年に 初のオリジナルアルバム「SATORI」をリリース。カナダのバンド”ライトハウス”に 認められ、活動本拠をカナダに移した時期もあったようだ。この間も日本にて幾つかの フェスティバルに参加していた。この頃の日本のバンドはあまり単独でライブを行う のではなく、現在で言う対バンでのライブ形式が多かった。 翌72年に名盤「Made In Japan」を発売。ジャケットはナント、厚いダンボール箱で 作られていた力作で、フラワー(皆こう呼びます)を最も世に出した作品とも言える でしょう。そして72年よりこのアルバム「Make Up」の製作へと入っていくのである。 このアルバムの代表曲はやはりなんと言ってもタイトル曲でもある”Make Up"と ”Shadows Of Lost Days"である。(シングルのA,B面) 一度聞いたら忘れられないハモンドオルガンのイントロから始まるメロディーは当時の ロックキッズ(古い!)を振るいあがらせた。また”Shadows〜”では、ジョーのシャウト が尋常ではなく、物凄い高い声で歌っていたのに圧倒された。そしてこの曲はこの時代の カラーテレビのCMにも使われていたのだ。また、このアルバムのLP盤は”レザーケース” に収められているという豪華版である。(中古レコード屋で高価ですが売ってますョ) 結成当時はメンバーに内田裕也(リードタンバリン)の名前もクレジットされていたが このアルバムではゲストアーティストにクレジットされプロデュース側に完全にまわって いたようである。 このアルバムの発売は73年初頭であるが、なんと”フラワー”はこの年の4月に解散して しまった。たった2年少々といった活動ではあったが日本のロックシーンに確実に名前を 刻んだといっても過言ではない。この時代のバンドは非常に短命である。前回に紹介した マキオズ、外道、そして大好きなCAROLも3年くらいで姿を消している。いかにバンドを 持続するのが難しかった時代であったに違いない。 そして”フラワー”は73年に来日するはずであった”ROLLING STONES”のサポートアクト も決定していたのだ。ストーンズはこの年、皆さんご存知の理由で来日しなかったので この公演は正に幻の公演だったのです。数年前、この実現しなかったストーンズ初来日公演 ポスターがあるコレクター・ショップで販売されていた。しっかり”フラワー”の名前も 記載してあり嬉しかったものである。当然、価格は目の玉が飛び出るほどの値段であった。 とても日本人離れしたサウンドがそこにあります。とにかくこの1枚を聞け! |