もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
オジー・オズボーン脱退後に参加したボーカリスト、ロニー・ジェイムス・ディオが 加入後、2作めの本アルバム。生粋のサバス・ファンにとってはオジーが居ないサバスは サバスでないという方もいると思う。ただ、それだけでは片付けられないのが、この アルバム「MOB RULES」だ! ロニーが加入しての1作め、「HEAVEN AND HELL」も確かに名盤である。しかし、この アルバムからドラマーがオリジナルメンバーでもあったビル・ワードからカーマイン・ アピスの弟でもあるヴィニー・アピスに変更になっている。このドラマーが非常に良い! 独特の前乗りのフレーズは非常に疾走感をあおる。その雰囲気が良く現われているのが 5曲目に収録されているアルバムタイトルでもある”The Mob Rules”である。 また、ハードロックの典型的なパターンが収められているのがアナログ盤でのB面の 1曲目(CDでは⑥)、"County Girl"から最後の”Over And Over"までの展開である。 ミディアムテンポからハイスピードになり、そして最後にヘビー・スローになるという 私の最も好きなパターンである。 前作も確かにこのパターンであるが、やはりドラムが変わるだけで音のしまり方が 全く変わってしまう。ビル・ワードがダメというのではなく、この声にはヴィニー・ アピスがあっていると思う。 そしてこのメンツで80年に来日している。私は日本青年館公演を見に行っているが 他の公演ではトニー・アイオミの体調不良が原因で、公演がフルに行なわれなかった と言われる来日公演であった。(幸い私が見に行った公演はフルステージであった) この公演でも感じた事はやはり強力なリズム隊で、ギーザー・バトラーのブリブリな ベースに、超前乗りのヴィニーのドラムが際立っていた。 よくあるヘビー・バンドのパターンであるがこのメンバーも来日後、直ぐにロニーが 脱退し、サバスは俗に言う低迷期に入る。イアン・ギランが加入したサバスはもはや サバスではなく、少々呆れてしまう部分もあった。ハードロックファンからしたら イアン・ギランは”Paranoid”を唄ってはいけないし、トニー・アイオミは”Smoke On The Water"を弾いてはいけないのである。 そして脱退後、ロニーはヴィニー・アピスと共に”DIO”へと加入していき、90年代に 入ってからこのメンツで1枚のアルバムのみ再結成され、また闇に消えていった。 しかし、2007年になってこのメンツで再結成し、ツアーに出ている。バンド名は権利の 問題なのか”HEAVEN AND HELL”になって新しい音源も出てきた。しかも、うれしい事に 今年のラウド・パーク07にヘッドライナーとして参加が決定した。オヤジ・ハードロック ・ファンとしては見に行きたいが・・・ とにかくこの1枚を聞け! |