もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー
エドガー・ウインター・グループでギターを弾いていたロニー・モントローズが中心と なり、73年に結成されたグループ。このバンドの凄いところは在籍していたアーティストが 後に、ビッグ・バンドの中心的人物になっていく事である。 73年にデビュー・アルバムの「MONTROSE」が発売となり、そのときのメンバーがギターは ロニー、そしてボーカルがサミー・ヘイガー、ドラムにデニス・カーマッシ、ベースに ビル・チャーチという面々であった。ボーカルは言わずと知れたヴァン・ヘイレンに加入 する事となるサミーで、ドラムはハートやジャーニーといったトップアメリカンバンドの ドラマーを務める事になる人物である。 そして翌年の74年にこのアルバム「PAPER MONEY」が発売される。その時点で、ベースの ビル・チャーチは脱退、かわりに加入したのがアラン・フィッツジェラルドである。彼は ベーシストでもあるが、キーボードも巧みにこなす。そしてこのアランは後にナイト・レンジャー のキーボードとして活躍する事になるのだ。前作の「MONTROSE」に比べ、アコースティック 色もプラスさせ、音楽性の幅を非常に広げた作品でも有る。ロニーのギターは更に進化し 当時としては最もディレイの使い方が上手いとも言われていた。しかし、ジャケットだけは どうも手抜きにしか見えないようなジャケットなのである。私にもデザインできそうな・・・ 前作には”Rock The Nation”、”Space Station #5”等の名曲が収録されているが、この アルバムにも”I Got The Fire”や”Starliner”等のイカシタ曲が入っているのです。 実に単純な曲ではあるのだが、日本人には唄いまわす事の出来ない、とてもアメリカらしい 曲と言えるのだ。上記の曲は80年代になるといろいろなアーティストがカバーし、発表して いることから、当時からかなりミュージシャンズ・ミュージシャンであった事は間違いない。 しかし、このようなバンドは大体短命で、モントローズもご多分に漏れず76年に解散して いるのだ。バンド内から才能のあるアーティストを多く排出しているのがせめてもの救い。 ロニーはモントローズ解散後、一部のメンバーと共に”GAMMA”なるバンドを結成するが モントローズほど脚光を浴びる事は無くこちらもフェイドアウトしていく。 残念なのはこのバンドも来日していない事である。ただ、ロニー・モントローズだけは 確かトニー・ウィリアムズがライブ・アンダー・ザ・スカイで来日した際に、ギターリスト として来日していた記憶がある。とにかくこの1枚を聞け! |