Ishibashi Mail Magazine

もう一度、この一枚を聞け! バックナンバー

「イシバシ・メールマガジン」初回発行以来、継続している人気コーナー”この1枚を聞け”の全てのバックナンバーを掲載しました。アルバム発売当時の時代背景やエピソードも満載!ややマニアックな一枚をもう一度要チェックです!


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ONE WAY HOME / HOOTERS





80年後半から90年初頭まで存在していたフィラデルフィア出身のバンドである。
一発屋とまでは行かないが、アルバムも4枚ほどで解散してしまった短命なバンド
であったが、なかなかの楽曲を残しているグループなのだ。

 一曲目のイントロを聞くとU2みたいだなと思いきや、途中からマンドリンや
ソリッドなギターの音が入ってきて独特なメロディー・ラインが心地よい。この
バンドの知名度を大きくした理由は幾つかある。先ず1つは3曲目に収録されている
”Johnny B"の大ヒット。日本人が好みそうなマイナー調のバラードで非常に心に
残るサビである。2つ目はこのバンドのソングライターでもある「ロブ・ハイマン」
が、あのシンディー・ローパーの名曲”TIME AFTER TIME"を作ったと言う事。そして
3つ目が非常に風変わりな楽器を多く導入している発想だったと思う。

 この3つ目にあげた多くの楽器とは彼らがそう呼ぶ風変わりなアコーディオン
”フーター”やマンドリン、アイリッシュ・ホイッスル、鍵盤ハーモニカ等の
その時代のバンドではあまり使わない楽器を多く楽曲に取り入れていた事。
これによって非常に幅広い音楽性になり、正に日本人が好む”もの悲しい”
バラードを唄っていた。しかも、その楽曲に私の好きなソリッドなテレキャス
っぽい音が重なり、この時代非常に良く聞いていた。
 初来日はたしか87年に東京ドームで行われたビリー・ジョエル達とのジョイント
ライブで一回のみ公演だったと思う。その後、90年7月に単独公演を果たし、渋公
まで足を運んだ。ライブはまさしくあらゆる楽器の応酬で、クレイマー社のギター
とマンドリンというイレギュラーなWネックギターも使用していた。

 最近ははっきり言って忘れられた存在ではあった。しかしついこの間、行きつけの
中古CD屋に行くと店頭で89年に発売された「ZIG ZAG」というアルバムがBGMで
流れていたのだ。(なんとセンスの良い店員サン!)改めて聞くと物凄く良い。しかも
この時このお店で「Hooters/Live」のCDも発見し買ってしまった。
 改めて自分のコレクションの中からこのアルバムを引っ張りだして、聞いたら
次のCDレヴューはこれと決めたほど、久しぶりに感動したのだ!

 80年代の終わりには自分の中では殆ど感動させてくれるバンドがいなかった時
唯一カッコイイナ〜と思わせてくれたバンドでもあります。中古CD屋さんに行くと
悲しいかな安い価格で売られているので、是非購入して見てくれ。
この1枚を聞け!