この一枚を聞け![THE SOUNDTRACK FROM THE FILM THE SONG REMAINS THE SAME / LED ZEPPELIN]



 2021年は筆者であります私JSが、1970年代に衝撃と影響を受けたライブアルバムを紹介していきたいと思います。初回に紹介するアルバムはやはりこの名盤、1976年にリリースされた「THE SOUNDTRACK FROM THE FILM THE SONG REMAINS THE SAME(邦題:永遠の詩 「狂熱のライブ」)です。

 1976年初頭の音楽雑誌はLED ZEPPELINの映画の話で持ちきりでした。当時の音楽雑誌は今のようにジャンル分けしてある形ではなく、あらゆるジャンルの音楽が一つの雑誌で楽しめたりする時代でした。邦楽ばかりを扱う雑誌にもこの映画のことは多く取り上げられていた記憶があるのです。

 当時のハードロックと言えば、日本ではLED ZEPPELINとDEEP PURPLEが人気を二分していました。当時中学生であった私は後者のパープル派でありまして、さほどLED ZEPPELINが一番という感じではありませんでした。その中学生であった私が地元のレコード屋さんでこのアルバムを予約し、初めて手に取った時の嬉しい感覚は今でもなんとなく覚えております。確か特典でポスターももらった記憶があります。

 レコードに針を落とすと大歓声の中、1曲目の“Rock and Roll”からスタート!パープル好きであった私が一気にZEPファンに取り込まれた一瞬でした。ライブの始まり方の見本のようなスタートにとにかくビックリの連続でありました。当時のA面に収録されている“Rock and Roll”⇒“Celebration Day”⇒“The Song Remains the Same”⇒“The Rain Song”という流れが私が一番好きで、繰り返し何度も聞いたのも良い思い出です。

 冒頭で映画の話をしたのに...?という方もいると思うのですが、実はこのアルバムが発売された時には、まだ日本では公開されていない映画であったのです。翌1977年の夏にようやく映画「レッド・ツェッペリン・狂熱のライヴ」が公開となります。高校生になった私は今は無い、隣町の映画館に友人と観に行きました。この時、動くLED ZEPPELINを観たのは初めてだったと記憶しています。

 長めのイントロダクションの後に、1曲目の“Rock and Roll”がスタート。さて2曲目はと思った瞬間、レコードとは違う“Black Dog”ではありませんか!!しかも3曲目は“Since I've Been Loving You”とまた、私が好きな曲ではありませんか!!!その瞬間、何故にレコードにもこれを収録してくれないのかと悲しんだのは私だけではなかったはずです(笑)そしてこの時代はなぜかB面の“Dazed And Confused”とC面の“No Quarter”が非常に苦手でした。というか曲の良さがまだ解らなかったんでしょうね。年を重ねるごとにこの二曲の素晴らしさが解ってくるのも面白いところですね。

 2007年に完全版の映像とCDが出た時には本当に感動しました。上記の全てを解決してくれる収録曲とその映像の素晴らしさを再度確認させてくれたのです。また、この映像を良く見ていた当時小学生であった私の息子に「ZEPの曲で何が一番好き好きなの?」と聞いたところ、息子は「希望の歌」と答えたのです。この映画を観た人ならわかると思いますが、「Stairway to Heaven」が始まる前にMCでロバート・プラントが「希望の歌です!」とアナウンスするのです。それを忠実に答えた息子が実に頼もしかったのも良い思い出です(笑)

 またこの時期、日本のジミーペイジこと、Jimmy Sakurai氏とイベント等を行うようになります。するとジミーペイジが考えていた音楽へのアプローチや、楽曲に対するこだわり、楽器の使い方等をSakurai氏を通じて、非常に理解できるようになると、更にLED ZEPPELINの魅力にドップリ浸かっていく自分が楽しくて仕方なかった気がします。

 そして中高校生時代に出逢った音楽は、今でも私の根底にあり続ける音楽となっています。今年はそんなライブアルバムを数多く紹介していくラストイヤーにしていきたいと思います。今しばらくお付き合いください。とにかくこの1枚を聞け!!


【こちらももう一度聞け!!】
OUTRIDER / JIMMY PAGE