この一枚を聞け![SKYSCRAPER / DAVID LEE ROTH]


 今回紹介するアルバムは、言わずと知れたヴァン・ヘイレンのヴォーカリストでもある、“ダイアモンド・デイヴ”こと、DAVID LEE ROTHが1987年にリリースしたセカンド・ソロアルバム「SKYSCRAPER(邦題:スカイスクレーパー)」です。

 1978年、鮮烈なデビューを飾ったアメリカン・ハードロックバンド、ヴァン・ヘイレンはギターのエディー・ヴァン・ヘイレンの卓越したギターテクで、あっという間にアメリカ国内では人気バンドとなりました。当時のデイヴは上半身はほぼ裸で、典型的なSEX、DRUG & ROCK'N ROLLを地で行くようなヴォーカリストでありました(笑)

 そして1983年には米史上最大のフェス、USフェスティバルのトリを務め、1984年には世界的大ヒットアルバム「1984」を発売しました。しかし、順調に思われていたバンドでありましたが、翌85年にデイヴはヴァン・ヘイレンを脱退します。不仲が理由とのことでしたが、バンドが大きくなればなるほど、この様な事が起こるのは、この当時のアルアルでもありました。

 早々に活動を遂行させるデイヴは、翌1986年に初のソロアルバム「EAT'EM AND SMILE」を発売します。気になるバンドメンバーは、ギタリストにフランク・ザッパ等で活躍していた奇才・スティーヴ・ヴァイ、ベーシストに元タラスのビリー・シーン、ドラムにグレッグ・ビソネットという布陣でした。まだ日本では認知度が低かったスティーヴ・ヴァイとビリー・シーンでしたが、そのあり得ないほどのテクニックに人気が出るのに時間はかかりませんでした。

 楽曲は“ダイアモンド・デイヴ”を地で行くような、明るく浮かれたハードロックであります! "Yankee Rose"や"Goin' Crazy!" などヒット曲も数多く生まれましたが、その中でもタラスの楽曲でもあった"Shy Boy"はギターとベースのバトルがとてつもない曲でありました。ホントです!(笑)

 バンドは即、2作目のアルバムの制作に入り、翌1987年にこのアルバム「SKYSCRAPER」が発売となります。前作より“とぼけた感”を抑え、正統派なハードロックアルバムに仕上がっております。1曲目からヴァイの変態フレーズが飛び出し、2曲目の "Just Like Paradise"は初の全米No.1を獲得した大ヒット曲となりました。個人的にはヴァイの変態フレーズ全開の4曲目 "Skyscraper"や、疾走感あふれる6曲目の"Hot Dog and a Shake" などが大好きですネ。

 しかし、このアルバムを最後にベースのビリー・シーンが自身のバンドMr.BIGを結成するために脱退します。後任ベーシストにはドラムのグレッグ・ビソネットの実弟、マット・ビソネットを加入させます。この布陣で1988年、初の日本公演を実現させています。もちろん武道館公演を観に行きましたが、ヴァイのギターテクはもちろんでしたが、デイヴの派手さは更にパワーアップしており、宙に浮かぶ巨大なサーフボードの上で唄うデイヴは正に唯一無二の存在でありました!

 そして2007年、衝撃的なニュースが! デイヴがヴァンヘイレンに復帰したではありませんか!! 相変わらずの派手なアクションでうたう姿は、明らかに“ダイアモンド・デイヴ”でありました。そんなデイヴは大の日本好き。体には和柄の入れ墨を入れ、2012年から1年ほど日本に住んでいたと言うではありませんか。ビックリです!

 世の中が大変な時期でもあります、皆さんもこれを機に自宅でゆっくり音楽を聴き入ってみませんか! 私はまずコレをじっくり聞くとします。とにかくこの1枚を聞け!