この一枚を聞け! [INFINITY / JOURNEY]

INFINITY / JOURNEY
INFINITY / JOURNEY

 今回紹介するアルバムはサンフランシスコが生んだ星、JOURNEYが1978年に発表した4作目のアルバム「INFINITY(邦題:インフィニティー)」です。

 ジャーニーの起源はサンタナが1972年位発売したアルバム「CARAVANSERAI」でもあります。「CARAVANSERAI」をレコーディングしたメンバーの内、ギターのニール・ショーンとキーボードのグレッグ・ローリーが新しいことを始めたいと作ったバンドこそがジャーニーなのであります。

 結成は1973年頃と言われているがメンバーの選出や所属レコード会社等のゴタゴタでデビューは1975年。ギターにニール・ショーン、キーボード&ヴォーカルにグレッグ・ローリー、ベースにはロス・ヴァロリーを起用し、ドラムにはフラン・ザッパ等でプレイをしていたエインズレー・ダンバーが加入しました。結成当時の音楽性は今のジャーニーと全く違い、インストが主体のプログレっぽいバンドであったのです。

 バンドに転機が訪れるのは1977年の後半で、それまでキーボードのグレッグ・ローリーがヴォーカルを兼任していましたが、バンドは強力なヴォーカリストを求めていたのです。そして新たに加入したヴォーカリストこそがスティーヴ・ペリーなのです。ペリーの歌唱力は他を寄せ付けぬほど実力と個性を兼ね備えていたのです。そのペリーを迎えて作ったアルバムこそが今回紹介する「INFINITY」というわけです。

 このアルバムでヴォーカル中心の今のスタイルに近くなったのは言うまでもなく、そのメロディーラインも“This Is Journey”なのであります。1曲目の“Lights”からペリーの歌唱力は全開で、青空が似合うような楽曲なのです。6曲目の“Wheel in the Sky”はアンコールによく使用されていた曲で、共にバンド結成から初のトップチャート入りした曲でもあったのです!

 そしてジャーニーの凄いところはこのアルバムから1年に1枚づつアルバムを発売し続け、発売するごとにバンドの人気もうなぎのぼり! 1981年、ついにあのモンスターアルバム「ESCAPE 」へと繋がっていくのです!! なんかスゴイですよね、まさにアメリカン・ドリームと言う感じです。

 しかし、80年後期に入ると音楽シーンの変化に伴いバンドの推進力はどんどん衰え活動休止へと追い込まれていきます。その後1996年再集結し活動を再開させますが、スティーブ・ペリー解雇→ヴォーカル交代など数々の苦難がバンドに襲い掛かります。そして2007年、バンドに再び衝撃が・・・! 新ヴォーカリストに選ばれたのはニール・ショーンがYoutubeで見つけてきた人物だったのです。その起用の仕方に賛否はありましたが、この新ヴォーカリストのアーネル・ピネダで現在もバンドは活動中です。

 ジャーニーはこの夏アメリカンツアーを行っているのですが、そのツアーの豪華さと言ったらもうビックリです。ジョイントで The Doobie Brothersを迎え、スペシャルゲストに Dave Masonですョ!? 日本ではありえない豪華さですよね。もちろんこの面子で日本にも来てほしいですが、単独来日でも是非見に行きたいですね。新ヴォーカルでの“Lights”は期待していいような気がします。とにかくこの1枚を聞け!!