スターキー星の「月刊 GUITAR TALKING」第27回

Fender Jimi Hendrix Stratocaster



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 みなさん、こんにちは。スターキー星です!

 「太陽が光ることを拒んでも、山が海に落ちても、そんなの俺には関係ない。 6が9になっても関係ない、俺は俺の世界を生きるし、お前にへつらうことはない。」まるでジミのパーソナリティそのものを大胆に表現しかのような代表曲「if 6 was 9」を広告のキャッチコピーに掲げた新製品。今月発売となりましたフェンダーの新製品、ジミ・ヘンドリクス・ストラトキャスターのご紹介をしましょう。

 エレクトリックギター奏法や、ポピュラー音楽、楽器業界の歴史において、彼が及ぼした影響の凄まじさに言及するのも今更おこがましいかもしれません。ジミヘンの遺伝子は数珠繋ぎのごとく世代や国境を越えて遍く広がっておりますし、当時それほどセールスが好調ではなかったストラトキャスターへの注目度を飛躍的に高めた彼の貢献なくして、現在までに至るFENDERの栄華はなかったものといっても過言ではないでしょう。

 こちらのモデルが発表されるまでにも、フェンダー社では幾度もジミへのリスペクトを表した製品を発売してきました。古くは1980年頃に製作されたJH PROTOがあります。ロックフィーリングがたぎるリバースヘッドなだけでなく、ボディのウエスト部分に特徴的なコンター加工が施されたギターで、カスタムショップでジェイソン・デイビスが復刻していたのもフェンダリアンの中では有名です。

 また、1997年にはリバース・スラント・ピックアップのVoodooストラトキャスターやレフティ/ライティ風のジミ・ヘンドリックス・トリビュート・ストラトキャスターが登場。同年には1967年6月のモンタレーポップ・フェスティバルで燃やされたサイケペイントギターが210本限定製作されており、それはジョン・メイヤーのコレクションにもなっています。同様にカスタムショップのタイムマシンシリーズでロングセラーとなっていた1969ストラトキャスター(生産完了品)もジミへのオマージュが発売の根底にありました。

 今回新たに登場することになったジミ・ヘンドリクスモデルは、バハ・カリフォルニア州のフェンダー・エンセナダ・ファクトリーにて製作されています。日本国内では便宜的に「フェンダーメキシコ」、「フェンダーMEX」と呼ばれる位置付けにあたります。右利き用のギターをレフティ仕様に改造していたことを象徴する部分ですが、リバースタイプのラージヘッドストックがフィーチャーされており、ボトムのハリと、トップノートのエモーショナルなプレイを可能にするテンション感を生み出しています。

 ヘッド同様にリバーススラントされたブリッジピックアップは、エッジの効いた攻撃的なサウンドをアウトプット。ジミの真骨頂とも言えるアグレッシブな音作りに大いに貢献してくれます。ややフラットな9.5インチR指板、ミディアムジャンボフレットを配したオールマイティなスペックで、グレーボビンのアメリカンヴィンテージ65シングルコイルピックアップを搭載。コード崩しでメロウに歌い上げるようなフレーズを爪弾きたくなります。ヘッドバックには彼のシグネイチャー、ネックプレートには彼の上半身のアイコンがまるでお守りのように刻み込まれています。

 既に初回入荷分は売り切れている店舗も多いですが、12月から1月にかけて再入荷の見込みが立っておりますのでお気軽にお問い合わせくださいませ。
 
 さぁ、ギターヘブンの扉をノッキンオン!!





<お問い合わせ>


石橋楽器 渋谷店
TEL 03-3770-1484
shibuya@ishibashi.co.jp

<スターキー星:プロフィール>
 プロフェッサー岸本の愛弟子であるデューク工藤に師事、池袋店〜御茶ノ水本店を経て、現在は渋谷店にてサブマネージャー(副店長)を務めている。日本国内最高レベルのノウハウを持ったスタッフとしてフェンダーのプロダクトスペシャリストに認定されている他、ギブソン・ファクトリーも定期的に訪問して選定買付け等を行っている。彼自身のフェイバリットミュージックはブルースやブルースロックが中心で主に60〜70年代ロックを愛聴。
 皆様がますます充実したミュージックライフを送れるよう、アップトゥデイトな情報のご案内、そして一生愛用できるギター捜しを親切丁寧にお手伝いたします。