スターキー星の「月刊 GUITAR TALKING」第15回

Fender Custom Shop 1998 Aluminium Stratocaster built by Jason Davis



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 みなさん、こんにちは。スターキー星です!

 フェンダーカスタムショップの元マスタービルダーであるジェイソン・デイビスが製作した1998年製アルミニウム・ストラトキャスターが入荷しましたのでご紹介しましょう。

 アルミニウムは皆さんご存知の通り1円硬貨の原材料でもあり、日常生活に身近な軽量で加工性に富む金属です。アルミニウム製のエレキギターというと1972年頃からジョン・ヴェレノよって少数製作されたVELENOギター。こちらはマーク・ファーナーやマーク・ボランを初め、多くの著名なギタリストが所有していることもあり、ギターコレクターの間でとても高く評価されています。また1983年頃にトーカイから発売された鋳造アルミニウム製ボディのタルボはGLAY HISASHI氏の愛用もあり、国内だけでなく海外にもアピールできる先進的なギターとして広く周知されていると思います。

 このようなアルミニウム製のエレキギターですが、フェンダーカスタムショップでは主に1990年代中盤頃からでしょうか、ショウモデルなどで時折製作されてきた経緯があります。とりわけ有名なのは彫金が施された1993年のハーレー・ダヴィッドソン・ギターですが、他にも1995年には1990年に亡くなったフェンダーレジェンドの技師フレディ・タバレスへの追悼の意を込めたアロハ・ストラトキャスターが製作されています。そちらも同じく美しいエングレイブが映える秀逸なデザインです。またアルミニウムボディでアメリカ国旗のデザインが配されたストラトや、J.W.ブラックが手がけた豪華絢爛なツリー・オブ・ライフなどもマニアックなフェンダリアンの方であればご存知かもしれませんね。

 ジェイソン・デイビスは17歳でギター製作の道に入り、B.C.リッチでそのキャリアをスタート。ジャクソンでも経験を積み、20代のうちにフェンダーカスタムショップ・マスタービルダーの称号を得た稀代の敏腕です。2010年2月にリットーミュージックから発売されたフェンダーカスタムショップのムック本ではピンクペイズリーの1968テレキャスターや1970'sスタイルのストラトキャスターが掲載されていましたが、他にもカーブドトップやコンテンポラリーなカスタムモデル、エキゾチックウッドを使用した強烈なインパクトを放つギター等を多数製作しており、「ウッドマスター」との異名をも持っています。

 現在は既に独立しており、Davis Guitarという自分自身のブランドを立ち上げていますが、彼の「プレイヤー視点に立って常にパーフェクトなギターを製作する」というスタンスで生み出された多くのギターは、やがてはヴィンテージ楽器と同様な土台で評価されるであろうプレミアムな楽器ではないでしょうか。彼の情熱的な仕事がドリームファクトリーとしてのフェンダーカスタムショップの歴史的価値を高めたことに疑いの余地はありません。

 本器は当時12本限定で製作されたアーティスティックなペイントのモデルですが、1998年製というのが信じられないほどのコレクターズ・コンディション。木材でないという理由では敬遠されがちかもしれませんが、丹念に製作された「本物」にはやはり格別のオーラ、紛いなき説得力があります。ホロウ構造とはいえ、金属製ですので硬質でトレブリーなトーンをイメージする方も多いと思いますが、実際はブライトでありながらもメロウで品位のある深みを感じる音色です。どこかリゾネイターギターを彷彿させるようなラウドな音像の広がり方がとてもユニークで、スライド奏法を決めるのも面白いかもしれません。

 さぁ、ギターヘブンの扉をノッキンオン!!




<お問い合わせ>


石橋楽器 渋谷店
TEL 03-3770-1484
shibuya@ishibashi.co.jp

<スターキー星:プロフィール>
 プロフェッサー岸本の愛弟子であるデューク工藤に師事、池袋店~御茶ノ水本店を経て、現在は渋谷店にてインポートギターを担当している。日本国内最高レベルのノウハウを持ったスタッフとしてフェンダーのプロダクトスペシャリストに認定されている他、ギブソン・ファクトリーも定期的に訪問して選定買付け等を行っている。彼自身のフェイバリットミュージックはブルースやブルースロックが中心で主に60~70年代ロックを愛聴。
 皆様がますます充実したミュージックライフを送れるよう、アップトゥデイトな情報のご案内、そして一生愛用できるギター捜しを親切丁寧にお手伝いたします。