みなさん、こんにちは。スターキー星です！

今回は近年急速に市場流通が少なくなっているショウマスターが入荷しましたのでご紹介しましょう。フェンダーカスタムショップ2002年製でフィギュアドメイプルトップ・セットネック・ストップテイルピース仕様のコレクター放出品です。

　スターキャスターやコロナド、モンテゴ等々の箱モノですらデタッチャブルネックで製作してしまうフェンダーですから、大胆にヒールカットされたセットネックが目を引く本器は時世を反映した異色モデルのひとつですね。ショウマスターは1998年頃に当時マスタービルダーであったジーン・ベイカーによってデザインされたと言われています。彼はロベン・フォード専属ビルダーとして名高いですが、ショウマスターはいわゆるスーパーストラト市場、ハイエンド/コンテンポラリーブランドの隆盛に対抗してフェンダーのマーケットシェアを拡大することを意図して発売されたモデルという位置付けになります。

　画像でご覧いただけるように、ナチュラルバインディングのカーヴド・メイプルトップと、ハンドスクレイプされたエッジテーパー処理が何とも魅惑的です。こちらはショウマスターの中でも非常にポピュラーな仕様の一つで、アルダーボディバック、9.5インチR指板22ミディアムジャンボフレット、アバロンドット・インレイ、フィギュアドメイプルネック、シュパーゼル・トリムロックチューナー、Fat'50sピックアップとセイモアダンカン59ピックアップ、ウィルキンソン・ストップテイルピースブリッジをフィーチャーしています。Fat'50ピックアップは1950年代当時のピックアップの中から特にホットな個体をモチーフに再現したAWG42ゲージ・フォームバーコイルによるロングセラーモデルですが、このピックアップが市販されるようになったのもショウマスターの発売とほぼ同時期に当たりますね。

　一括りにショウマスターとは言っても、バリエーションモデルは多数あります。様々なプレイスタイル・ジャンルに対応するためのオプションのようなもので、ボルトオンジョイントの仕様もあり、ピックアップ・コンフィギュレーションはHHやHSS等、ブリッジはシンクロナイズド・トレモロやストップテイルピース、レアですがフロイドローズを搭載したものもありました。またボディ材もマホガニーやアルダー、アッシュ、果てはスポルテッドメイプルなどのエキゾチックウッドを使用したものが存在しています。少数ですが7弦仕様もあり、またフェンダーデカールで韓国製のものや、スクワイヤブランドで廉価版のものも流通していたので見覚えがある方は多いでしょう。

　時期によって日本国内のメーカー希望小売価格は大幅に変動しているため一概には言えないのですが、おおよそ30万円台中盤程度のお手頃な定価設定でこれだけ素晴らしい楽器が手に入ったのですから、コストパフォーマンスは最高ですね。抜群のプレイアビリティと、汎用性の高い音色、エレガントで美しいフォルムはまさにプレイヤーの所有欲を満たしてくれる名器だと思います。

　ちなみに、ショウマスターは2009年頃に各種プロパーモデルがディスコンとなってから久しく、熱心に捜しているお客様が増えています。私としましても、カリフォルニアのコロナファクトリーを訪問するたびに限定復刻できないかと何度も試みているのですが、現状での実現は中々難しいです。ボディ形状からしてイレギュラーなモデルなので、チームビルトカスタムではオーダーを受け付けてもらえなかったり、マスタービルトでオーダーを依頼しても見積もりが予算を大きくオーバーしてしまったりというのが実際です。狙っている方は中古市場をマメにクロウルしていただくしかないと思います。普段はトラディショナルなスタイルのモデルを愛用している方も、この濃厚で存在感の強いジューシーなサウンドは癖になりますよ。

　コレだけおさえておけば、今日から貴方もフェンダリアン!!

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