Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.101

この一枚を聞け! [DAYS OF FUTURE PASSED / THE MOODY BLUES]



DAYS OF FUTURE PASSED / THE MOODY BLUES

 THE MOODY BLUES、日本では余り馴染みの無いバンドであるが、デビューは1965年でストーンズやザ・フーと並ぶイギリスでは超メジャーなバンドである。今回はそのTHE MOODY BLUESが67年に発売した「DAYS OF FUTURE PASSED」をご紹介します!

 THE MOODY BLUESのデビューは1965年。ビートルズのアメリカン・ツアーで前座として演奏を行ったのは有名な話でもある。オリジナルメンバーであるギタリストのデニー・レインによって64年に結成され、当時はR&Bバンドとして活躍していた。デビューアルバムもこの路線であったが、全くもって売れずにデニー・レインは脱退。中心メンバーだったのに抜けてしまうなどいうのがとてもイギリスらしいのです。しかも、そのデニーは前座時にビートルズのポール・マッカートニーと仲良くなり、後に彼のバンドでもあるWINGSに加入する事になる。

 残されたメンバーで起死回生を狙うTHE MOODY BLUESはバンドスタイルをプログレッシブ・ロックに大幅変更。しかも、この当時としてはオーケストラとロックを融合させるという斬新なアルバムを製作することとなる。そのアルバムが”DAYS OF FUTURE PASSED”なのです。オーケストラと融合させるだけでなくコンセプトアルバムとして発売された作品は彼らの真のファーストアルバムとも言われている。

 しかし、興行的にはイマイチで同時発売されたアルバム収録曲の”Nights in White Satin”がイギリス国内で中当たりといったところ。ただ、ここからがTHE MOODY BLUESの快進撃なのです!1971年までの間に3枚のオリジナルアルバムを発売し、どれもがイギリスで大ヒット。同世代デビュー組のピンク・フロイド、ジェネシス、キング・クリムゾン、イエス、EL&Pと共にイギリスを代表するプログレバンドにまでのし上ったのです。

 さらに極めつけは72年からラジオから話題が広がり、67年に発売されたシングル”Nights in White Satin”が急激にチャートイン。しかも、全米でもベスト3に入る快進撃をみせ、イギリスのみならずアメリカでもその不動の地位を手に入れたのである。”Nights in White Satin”は非常にドラマチックな曲である。オーケストラと融合した効果が最も現れている曲と私は感じる。エンディングの部分でよく解らんシャベリが入っているが、これはオリジナル性があってイイんじゃないと思う事にしている。

 THE MOODY BLUESは1974年に実は来日している。しかし、ライブ中に客が投げたトイレットペーパー(?)がギタリストのジャスティン・ヘイワードにあたり、気分を害して日本には二度と行かないと昔のミュージック・ライフ(雑誌)で読んだ事がある、本当の理由はそうではないと思うが、日本で人気が余りないのも事実ではある。

 しかし、現在でもバンドは活動中。凄い事ではありませんか。もし、トイレットペーパーが原因なら私が謝りますからどうぞ日本に来てください。そんなことはないか・・・。ま〜今一度、”Nights in White Satin”を聴き込むとします。とにかくこの1枚を聞け!

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