Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.101

スターキー星のフェンダリアン 〜Talking Of Fender〜 第10回

Fender USA Custom Shop Custom Collection 1953 Telecaster Heavy Relic Nocaster Blonde




 みなさん、こんにちは。スターキー星です!本年もよろしくお願いいたします。

 さて、今回はフェンダーカスタムショップの53テレキャスター・ヘヴィレリックをご紹介しましょう。

 実はこちらのモデル2011年限定のタイムマシーン・シリーズなのですが、バックオーダー分からの最終入荷の一本となっております。

 タイムマシーン・シリーズというのは、改めてとても良いネーミングだと思いますが、皆さんご存知の通り、1950-1960年代当時の古き良きフェンダー・ギターを忠実に復刻することをコンセプトにしています。カスタムショップだからこそなしえる厳選された木材・パーツを用いて、熟練した職人達によって丁寧に組み込まれているというのが最大の魅力です。

 レトロスペクティブギア・シリーズやマスターグレード・シリーズからの系譜を経て、完成度を高めてリリースされたコレクションですが、2009年まではほぼ一貫したラインナップが展開されていました。時折、そのラインナップにマイナーチェンジが加えられる形を取られていましたが、2010年以降はラインナップが毎年大幅一新されることになりました。カスタムコレクションとして、ほぼ受注生産に近い形で少量製作されるように変更されたのです。

 いずれのモデルも一年限りのリミテッドモデルとして製作されるため、機会を逃すとなかなか手に入らないというのがポイントです。特に毎年非常に人気を集めるモデルというのが、いくつか存在します。そういったモデルは、全国何処のショウケースディーラーを捜しても全く見つけられない事態が起こってしまうのです。例えば、2010年は「63ストラトキャスターNOS/RELIC」の人気が高かったです。ジョン・メイヤーやスティーヴィー・レイ・ヴォーンのようなトーンを好まれる方を中心にラウンドラミネイト・ローズウッド指板のストラトに再び注目が集まった形です。それに対して、2011年のヒットモデルはこちらの「53テレキャスター」でした。51ノーキャスターが生産完了となって久しく、原点回帰、シンプルなブラックガードの人気が爆発しました。毎回入荷するたびにあっという間に売切れてしまうそんな状況だったのですが、今回ご紹介している一本が当店最終入荷です。一度手にすると中々手放さないオーナーの方が多く、中古市場でも簡単には手に入らないので見逃せないですね。

 ちなみに以前のタイムマシーン・シリーズはあくまでヴィンテージリイシューであることが第一義的スタンスでしたが、近年のものはよりプレイアビリティを強く意識した「実戦で使える」モデルという方向にシフトしつつあり、幾分モダンなテイストが加えられるようになりました。フレットボードも幾分フラットで、フレットもジムダンロップの6105ナロージャンボサイズを採用されることが多くなりました。このあたり、実はフィンガリングだけでなく音色にも大きく影響する部分です。また、こちらのテレキャスターはプレゼント・デイ・ワイヤリングですので、フロントピックアップのあのこもったトーンがワンタッチで出せない分、フロント-ミックス-リアとセレクターが切り替わる汎用性の高い仕様です。

 そして、皆さん気になるネックシェイプですが、ローポジションではしっかりグリップ感のあるソフトVシェイプ、ハイポジションに行くにしたがって、やや厚めな仕上がりのUシェイプに仕上げられたネックで手に良く馴染みます。私個人的にはジョン・イングリッシュやステファン・スターンが作ったテリーに近いフィーリングを受けます。以前の51ノーキャスターのネックグリップは丸太みたいで今ひとつ慣れなかった…という方にもおすすめです。音色の方は、極薄塗装のヘヴィレリックならでは、ナチュラルな木の鳴り方が心地良く、適度に輪郭が整えられたヴィンテージトーン。非常に軽量ながら、とてもコシのあるサウンドが楽しめる極上のテレキャスターです。まろやかな甘さと非常にセンシティブなレスポンスが両立されているのが素晴らしいと思います。

 最後に、いよいよ気になるフェンダーカスタムショップの2012年のラインナップですが、実はUSAのオフィシャルサイトでは既に一部が公開されています。さらに今月開催されたNAMM SHOWでも気になるアイテムが続々登場。twitterやfacebookでチェック済みの方も多いと思いますが、そのあたりの入荷情報もWEBで追ってアナウンスいたします。フェンダー買うなら石橋御茶ノ水本店、販売実績に自信があります。気になる方はお気軽にお問い合わせくださいませ。

 コレだけおさえておけば、今日から貴方もフェンダリアン!!




<お問い合わせ>


石橋楽器 御茶ノ水本店
TEL 03-3233-1484
ochanomizu@ishibashi.co.jp

<スターキー星:プロフィール>
 プロフェッサー岸本の愛弟子であるデューク工藤に師事、御茶ノ水本店にてインポートギターを担当している。特にフェンダー・ギターへの造詣が深く、日本国内最高レベルのノウハウを持ったスタッフとしてプロダクトスペシャリストに認定されている。彼自身のフェイバリットミュージックはブルースやブルースロックが中心で主に60〜70年代ロックを愛聴。
 皆様がますます充実したミュージックライフを送れるよう、一生愛用できるギター捜しを親切丁寧にお手伝いたします。