Ishibashi Mail Magazine Vol.97
| Fuchs Plush FX Pedals
オーヴァードライブ・ペダルにおいて定石となっている3ノブ(「LEVEL」、「TONE」、「GAIN」)仕様を採用。このフォーマットで最も有名な[TS-808]に敬意を払いつつ、他のクローン・メーカーの二の轍を踏まないように、回路設計を見つめ直し、さらに抵抗やコンデンサーといった使用パーツ類を吟味することで、理想のトーンやダイナミック・レンジを実現。ピッキングの強弱やギター側のヴォリューム・コントロールの上げ下げに対しての追従性は抜群の仕上がりを見せている。ギタリストのフィーリングやニュアンスをダイレクトに感じ取ってくれる歪みペダル。 [Specifications] |
ブティック・チューブ・アンプの歪みをエミュレートしたペダル。ダンブル・アンプのユーザーであるロベン・フォードの如く芳醇なサウンドを出力してくれ、“Robben in a box(ロベンのサウンドを箱の中に閉じ込めた)”という愛称を持つ。自社製の[Overdrive Supreme](ダンブルをモチーフにしたチューブ・アンプ)を土台に音作りがされたという。[Plush Cream]よりはゲインが低く、サチュレーションも少なめで、中域の持ち上がったサウンドが持ち味。4コントローラーの中でのミソが「TOUCH」で、このツマミを上げると高域成分が増し、ピッキングに対して、よりセンシティブに反応するようになる。あまり歪まないアンプと繋いだ時に威力を発揮するが、歪ませた状態のアンプの前に接続すると、超濃密なオーヴァードライブ・サウンドを奏でてくれる。 [Specifications] |
Black Label SocietyやSpeedXなどで活躍しているNick Cataneseのシグネイチャー・ペダル。コントロール類の特徴としては、「LOW」/「MIDDLE」/「HIGH」という3バンドのイコライザーを備えていることで、これにインプット段のヴォリュームを決定する「GAIN」と、マスター・ヴォリュームの「OUT」が加わり、さながら2ヴォリューム・アンプのような操作感で歪みサウンドを作り込むことができる。「GAIN」の設定次第で、マイルドなオーヴァードライブ・サウンドから、へヴィ・ロックに最適な爆音まで出力可能。[Plush]の歪みペダルのラインナップ中、最も過激な歪みが得られるモデルで、特にダウン・チューニングをしてゴツゴツと低域リフを鳴らすようなフレーズにおいて、抜群の相性を見せる。またアンプをクリーン・セッティングにした時に、そのパフォーマンスは最大限に発揮する。 [Specifications] |
3ノブ(「LEVEL」、「TONE」、「GAIN」)仕様のオーヴァードライブを2台分搭載し、2チャンネルの切り替え操作をフット・スイッチ上で行なえるペダル。そのオーヴァードライブ回路だが、“HOT”チャンネルは[Plush Cream]を土台にしたもので、“WARM”チャンネルはその名の通り、よりウォームな音色感に仕上げられている。一方のチャンネルの「GAIN」を下げ気味にしてバッキング用にし、もう一方の「GAIN」を上げてソロ用にセッティングするなど、ライヴで重宝しそう。また本機をOFFにした時、最後に選択したチャンネルのLEDが点滅するようになっている。これがあるおかげでOFF状態からONにする時に、A/Bのどちらのチャンネルを最後に選んだのか忘れたとしても、確認できるようになっているところも、ユーザー・フレンドリーだ。 [Specifications] |
ブティック・チューブ・アンプのサウンドがどうしても欲しいという人に朗報! そんな欲求を実現してくれるペダルこそ、[The Valve Job]だ。[The Plush Drive]と同様の4コントローラー仕様だが、同機がFETによるディスクリート回路を採用していたのに対し、[The Valve Job]は12AX7管を用いることで、真空管アンプ特有の滑らかなトーンと煌くような高次倍音を紡ぎ出す。ボトル・ネックを用いてスライド奏法を弾いた際の攻撃的なトーンが白眉で、トレブリーなのだが耳に痛くない、そんなトーンを出力してくれる。お手頃なペダル・サイズに加え、お求め安い価格で、ブティック・チューブ・アンプのサウンドを望んでいる方にオススメの1台。 [Specifications] |
デジタル・ディレイでありながら、回路内に真空管を用いることで、チューブ特有のコンプレッション感や暖かみのあるサウンドに仕上げたペダル。最長1Secのタイム・レンジを誇るデジタル・ディレイという側面と共に、テープ・エコーのエミュレートも行なっているところが本機のミソ。[FIDELITY]コントロールを左に回し切るとクリアなデジタル・ディレイになり、時計進行方向へ回すとテープ・エコーのようなアナログ感漂うサウンドとなる。加えて、テープ・エコー・マシン特有のピッチの揺れであるワウ/フラッターも調整可能なコントローラーが搭載するなど、こだわりも半端でない。 [Specifications] |
周波数特性が16kHzのデジタル・リヴァーブ。シンプルな2コントロール仕様で、「DECAY」の設定次第で、スプリングからホールまで、さまざまな残響音を出力してくれる。もう一方の「REVERB」ツマミは、ウェット音とドライ音のミックス具合いを調整。操作性がシンプルなため、非常に使いやすい上に、その音色感はデジタルとは思えないようなオーガニックな残響音を響かせてくれる。 [Specifications] |
ブラウン・トーレックス期(1960年代初頭)のフェンダー・アンプに搭載されていたトレモロ機能をエミュレートしたユニークなペダル。トレモロ・エフェクター本来の効用である、音量を周期的に変化させる効果に加え、トーン自体も低域と高域が微妙に変化していくところが本機の特徴で、まさにフェンダー・アンプに搭載されていたトレモロ・サウンド(フェンダー社は“ヴィブラート”と呼んでいた)を再現してみせている。シンプルな2コントローラー仕様で、「DEPTH」で掛かりの深さ、「RATE」でスピードを調整することができる。ヴィンテージ・アンプ・マニアに、たまらない1台。 [Specifications] |
スタジオなどで使用されてきたヴィンテージ・ラック機器と同様、フォトカプラを使用。[MXR]や[ROSS]、[Dan Armstrong]など、コンプレッサーの名機を輩出したメーカーとはまったく異なる独自の回路デザインの基で作られたコンプレッサー・ペダル。音質劣化を排除すべくカップリング・コンデンサーを使わず、回路自体は非常にシンプルな構成。そこから生み出されるトーンは透明感があり、滑らかでいて温かみのあるコンプレッション効果が持ち味となっている。 [Specifications] |
厳選したオーディオ・グレードのパーツを使用することで、市場内で極めてノイズの少ないブースターに仕上がったと、フュークス自身が太鼓判を押す1台。シンプルな1ノブ・ブースターで、ツマミを上げ切ると、最大25dBまでゲインは向上する(一般的なギターの約20倍の出力レヴェル)。その一方で絞り切ると、バッファー・アンプとして効用し、およそ1MΩほどと言われているギターのハイ・インピーダンス信号を、1KΩまで下げてくれる。信号をロー・インピーダンス化することにより、外来ノイズに強くなり、ライヴで長いケーブルを使用したとしても、音の劣化もなくなるというメリットが生まれる。クリーン・ブースターとしての使用はもちろん、歪みペダルの前に繋いでパンプアップさせるのにも最適だ。 [Specifications] |
![]() タッキー・プロフィール 1957年 福島県生まれ。 中学1年で初めてギターを弾き、1弦だけで「禁じられた遊び」を弾いて得意げになる。 中学2年からフォークに染まり始め、初めて購入したギターは¥4,500のピアレスのフォークギター。 「F」コードで挫折し現在に至る。 | ![]() ミサワマサヒロ・プロフィール 音楽学校メーザー・ハウスにて、矢堀孝一氏に師事。ギブソン・ジャズ・ギター・コンテストのバンド部門にて優勝を果たす。その後、レコーディングやライブのサポートなどで活躍し、イシバシ・バンド・コンテストのイメージ・ソングの作曲&演奏も担当。現在は女性ヴォーカルを含めた5人編成のバンド、パスピエ(https://www.myspace.com/passepied)にて活動中。さまざまなデモ演奏でも活躍するギタリスト。 |