デューク工藤の【ギブソンエレキ座談】第11回
GIBSON SG Special TV- style Limed Mahogany S/N0 1433 1960年製
スペシャルモデルはレスポールとレスポールジュニアの中間モデルとして1955年に発表されました。当初はシングルカッタウェイモデルで製作されましたが1958年にハイポジションの演奏性を高める為にダブルカッタウェイにデザイン変更されています。
この頃まで名前は”Les Paul Special”でしたが1959年から1961年まではSG Specialとしてリストされていました。SGというと薄いボディに尖がったカッタウェイをイメージしますが、今回ご紹介するものは”Les Paul Special”シェイプの”SG Special”です。
Les Paul Special はLes Paul Jr.の上級機種でピックアップはソープバーと呼ばれるP-90が2つ搭載されています。ソープバーはドッグイヤーと呼ばれるP-90の両サイドの耳なしバージョンで1952年よりアッデートされました。ピックアップは直接ボディーにネジで固定されています。
また、スイッチはシングルカッタウェイモデルではフロントピックアップ横にマウントされていましたがダブルカッタウェイにデザイン変更されマウントしていた部分が無くなりブリッジ横に移動されました。
ネックにはバインディングが施され、ヘッドのブランドロゴはパールインレイとLes Paul Jr.に比べ高級感はあるものの基本的にはLes Paul Jr.の2ピックアップ・バージョンです。
シングルカッタウェイからダブルカッタウェイにデザイン変更される事によりネックとボディのジョイント方法が変更されます。シングルカッタウェイの時はノンカッタウェイ部がネックとの接着面の面積があり指板エンド部でネックはカットされ接着されていましたが、ダブルカッタウェイは指板エンドより約7センチ延長しボックスジョイントされました。ピックガードを外すと接合部を見る事ができます。ジョイント部分が大きい分ネックの振動が伝わりやすくコードをストロークした時の音の広がりはこれぞロックサウンドといえる一発でノックアウトされる音です。
TV- style Limed MahoganyはカスタムカラーでTVイエロー、ライムド・マホガニーとも呼ばれるカラーで白黒テレビで映りが良い為に黄色にしたとも言われています。画像のSG Specialはラッカーが酸化し写真のようにかなり焼けた感じの黄色になって渋くなっております。
ダブルカッタウェイになってからはネック角度も発売当初に比べ大きくなり音にもハリが出るようになりました。ボディの外周の角も丸みがつきフラットトップですがこれにより全体的に立体感が出ています。
マホガニーネック&ボディ作られたこのギターは豊かに振動し、手にその振動が伝わりギターを弾いている感がとても実感できます。弾いていてとても楽しい本当にいいギターです。やっぱギブソン!
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| <デューク工藤:プロフィール> プロフェッサー岸本に師事し、渋谷店での6年間に数々のリジェンダリーを師匠と共に経験。ただいま池袋店に勤務。 彼自身のフェイバリットミュージックは60年代から70年代のロック、ブルースとサウンド面でもヴィンテージサウンドに精通。宝物探しのお手伝いを親切丁寧にいたしますので心より御来店お待ちしております。
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