Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.74

American Sound History [Gibson Southern Jumbo 1951年製]

 ギブソン・サザンジャンボは1942年にJ-45と共に発表されたギブソン定番モデルです。J-45よりも装飾豊かで豪華なイメージ、現在でもその人気は衰えていません。

 今回のサザンジャンボはスモールピックガードの初期スタイルで、全体の重量も軽くサウンド的にも大変人気が有ります。ボディが軽いのはボディ内のブレーシングが薄めに削られてあるのも関係しますが、何よりもこの軽さがパワフルなサウンドがでるポイントでもあります。スモール一ピックガードもボディートップの振動を妨げずボディー全体で共振しているのが分かります。

 1940年代のサザンジャンボも野太いサウンドですが、ネックがやや太く弾きにくいイメージですが、1951年製のサザンジャンボは程よい太さでとても弾きやすくローポジションからハイポジションまでストレスなく弾けます。時代背景にはレスポールが登場し始め、エレキギターの銘器といわれるモデルが誕生した時代でもありました。この時期に誕生したレスポールのネックの太さに近くエレキギター弾きの方でも違和感無く弾けると思います。

 1940年代後半よりネックバインディングが入り、ブリッジは”レクタンギュラー・ブリッジ”から”アッパー・ベリー・ブリッジ”に変更され、サドルはロングサドルですので弦の振動を素直に拾います。このような要素が絡みサザンジャンボの歴史の中でもフィンガー・ピッキングでも軽やかに綺麗な音の立ち上がりがし、思いっきりストロークすれば野太い音が出る万能な時期でもあります。1955年からはピックガードがラージピックガードになり、ブレーシングもよりタイトで頑丈なものになりサウンドも変化していきます。

 サンバーストの見た目も戦後になるとそれまでダークなサンバーストのイメージから中央が明るいスポットライトがあたった感じの見栄えの良いサンバーストで今回の1951年製のサンバーストは本当にカッコイイのです。

 今回のサザンジャンボはボディTOPに数ヶ所クラック・リペアーが見られますが、しっかりリペアーされていて、良く共鳴しています。ネックリセット済みで、プレイアビリティーもバッチリ調整されていてガンガン本気で使えるギヤになっています。サウンドも50年代らしい野太いパワフルなサウンドで、バランスもバッチリです。このようにしっかり調整されながら弾かれてきたアコースティック・ギターは本当に良い音がします。まさにオ〜アメリカン!


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<デューク工藤:プロフィール>
プロフェッサー岸本に師事し、渋谷店での6年間に数々のリジェンダリーを師匠と共に経験。ただいま池袋店に勤務。
彼自身のフェイバリットミュージックは60年代から70年代のロック、ブルースとサウンド面でもヴィンテージサウンドに精通。宝物探しのお手伝いを親切丁寧にいたしますので心より御来店お待ちしております。