Ishibashi Mail Magazine Vol.73
今回は1953年製と1957年製のD-28をご紹介します。 1953年製はレスター・フラットばりのインパクトのある大きなピックガードが貼られています。このピックガードは恐らく1950年代後期にファクトリーにて交換されたものと思われます。 1953年製ですとペグはクルーソン・シールドバックでマイナスネジで固定されています。クルーソン・シールドバックに変更されたのが1949年からと言われており1950年代前半と分かるポイントでもあります。 50年代前半はネックが太めでしっかりしており、低音の迫力はこの年代ならではのものです。 もう一本の1957年製は同じ1950年代の中でも独特な年代です。弾いてみて気がつくのはネックのシェイプがVシェイプでやや薄めに仕上げられていることです。この部分で連想させるのはフェンダーのストラトキャスターです。ストラトキャスターも同じく1957年製のネックはVシェイプでやや薄めなものが多いいです。サウンドの特徴は音にシャープさが増しパワフルなサウンドながらキレがあるところです。 この1957年製のサウンドにもうひと味加えた箇所で、ペグの変更があります。本来であれば1958年製からのグローバーペグに後で交換されています。クルーソンペグのネジ跡が残っており直ぐに気づきますが、前の所有者は意図的にグローバーに交換したのでしょうか、グロ−バーペグにより音の輪郭が整いレスポンスが早く感じられます。 50年代後半からはピックガードの先端が少しシャープになり1957年製もその特徴がでています。(60年代からはまた元の形に戻りました) ボディ材に使用されているローズウッドもこれぞハカランダといえる濃い杢目のラインがでた素晴らしいもので、何ともいえません。 ハカランダ材が使用されているマーチンギターは非常に人気が有り、入荷すると必ず注目を浴びます。なぜハカランダ材が人気あるのか、なぜ50年代のマーチンは良い音がすると言われるのか、今回の2本を弾きくらべると分かると思います。 <お問い合わせ> 石橋楽器 池袋店 TEL 03-3980-1484 ikebukuro@ishibashi.co.jp
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