Ishibashi Mail Magazine Vol.65
レスポールスペシャルが登場したのは1955年でレスポールジュニアとレスポールの中間モデルとして製品化されました。1ピースマホガニーボディでレスポールのようにメイプル材はトップに貼らないで設計しており、マホガニー材はレスポールと共用されていたそうです。ネックもマホガニ-材の1ピースでヘッド部のみ両サイドから耳貼りされた3ピース構造で、ヘッド面に突板をレスポール同様に貼られブランドマークロゴは白蝶貝が埋め込まれています。 ヘッド面中央にはシルクスクリーンで”Les Paul TV MODEL”と塗装の上に転写されますが、今回のギターは擦られた跡があり、文字が薄くのこっている状態です。塗装の上に施されている為、指で擦るだけでも文字は消えてしまうほどです。 TV MODELはライムド・マホガニーとも呼ばれ、当時の白黒のテレビ映りが映えるようこの色が考えられたと言われております。サンバースト、チェリーカラーに比べると生産本数は少なく貴重なカラーと言えます。 ブリッジにはバータイプのもので当時の社長テッド・マッカーティ氏が考えたこともあり、”マッカーティブリッジ”とも呼ばれています。スラントして取り付けられたブリッジはスタッドにあたる部分にいもネジがついており、ここでスラント角度を変えオクターブのイントネーションを合わせます。弦の張り方はブリッジの上に巻きつけるように張り弦のブリッジ部分との密着度が高いのでギター全体の振動が弦に伝わりやすく太い音がします。特にフロントピックアップの音の良さはビックリします。 ネックのジョイント方法は”ボックスジョイント方式”と呼ばれ、レスポールのディープジョイントとは異なりカッタウェイ側にもネックとの接着がされるよう壁が作られネックを差し込む部分が箱上になっています。これにより接着面積を確保し強度を保っています。 シングルカッタウェイのモデルは1958年まで生産され、このモデルは最終年のモデルになります。この後ダブルカッタウェイになります。ピックアップはP-90が2つフラットトップのボディにマウントされており、セレクタースイッチはボディ上部左側ショルダー部分に設置され、ジュニアに比べ2つのピックアップでフロント、ミックス、リヤと音色バリエーションがあります。近年日本のミュージックシーンでもスペシャルをステージで使うアーティストも増えており人気が上昇しているようです。 ロックロールギターと呼ぶに相応しいルックスとサウンドで半世紀もの間このサウンドが必要とされ続け、これからもロックのスピリットを継承していくロマンを感じる1本です。オ〜アメリカン! <お問い合わせ> 石橋楽器 池袋店 TEL 03-3980-1484 ikebukuro@ishibashi.co.jp
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