Ishibashi Mail Magazine Vol.61
今年最後のご紹介は本年買ったアルバムの中で、最もすばらしかったプログレ・アルバムであったデヴィッド・ギルモアの最新ライブを紹介しよう。最新といっても収録されたのは06年のことであるし、プログレの世界では2年など半年みたいなものである。 ピンクフロイドでの活動は今後行わないと発言してからすでに数年が流れ、ギルモアはソロ活動へとほとんどの力を注ぎ込んでいる。このライブはそのソロでの活動での集大成ともいえるアルバム「On an Island」のツアーでの最終公演、ポーランド・グダニスク造船所で行われた野外ライブの模様を収めたライブアルバムである。 なにがスゴイって5万人以上の観客の前で行われる巨大スペタクルショーを音源のみならず、映像でも楽しめるということだ。このアルバムはCD2枚組にプラスして、DVD映像も1枚プラスされている。私も音源を聞く前にDVDを先に見てしまったほどだ。そして1曲目が見た瞬間、鳥肌ものであった!フロイドでは定番になっていた円形巨大スクリーンが6枚の大型スクリーンに変わっており、さらにレーザー光線満載、フロイドの曲満載となれば感動しないヤツは居ないのではないか・・・ そして特筆すべき点としてキーボードには先日他界したフロイドのリック・ライトが参加している。やはり彼が奏でる”Shine on You Crazy Diamond ”のイントロは彼でなくてはダメだということも痛感するのだ。そして、40人近い”ポーランド・バルト・フィルハーモニック交響楽団”との競演はまさに圧巻である。日本では絶対に実現しないであろうと思うほどの壮大さがここにある。バックを支えるアーティストもまた最強である。キーボードにリック、ベースはフロイドのツアーメンバーでもあったガイ・プラットが、そしてギターにはロキシー・ミュージックに在籍していたフィル・マンザネラが担当。ヴィンテージロック・ファンにはたまらないラインアップになっている。 今の時代ネット配信が主流になり、CDが売れなくなっているこの時代に3枚組みのアルバムを発売してしまうその根性に脱帽である。しかもデラックス・エディションとして5枚組みの同タイトルを限定販売している。最近、5枚組なんて夜中の通販番組で売っている”なんとか・ベスト”ぐらいしか聞いたことのないくらいだ。デヴィッド・ギルモア先生だから出来る業ではないか。 プログレって奥深いよね〜! 長々とプログレを語ってきましたが今年いっぱいで「プログレッシブ・ロック編」は終了となります。来年からはまた、ロックのごった煮という感じで、あらゆるジャンルを紹介していきたいと思います。とにかくこの1枚を聞け! そして良いお年を! バックナンバー |