Ishibashi Mail Magazine Vol.61
1968年フェンダー社は15年以上も前の資料を参考にオリジナル・プレシジョンベースを復刻させました。発売当初、プレシジョンベースはテレキャスターの形をしており、ボディーの外周は丸く、コンター加工はされておりませんでした。ギターのテレキャスターと同時に当時開発されましたが、全く同じ形を大きくしたものではなく全体のバランスを考えカッタウェイが大きくとられたものでした。 1957年にボディシェイプが変更になるまでの間には1954年にエルボー部分にコンター加工されたりとだんだんと丸みが付きはじめ、翌年にはそれまでの黒いベークライトのピックガードから白いピックガードに変更されます。1968年に復刻された時にはボディー形状は初期の角張ったものですがピックガードには白の1ピースのものが採用されました。 テレキャスターベースの初期モデルのネックは、メイプルの貼り指板で1ピースではありませんでした。今回の1968年はその後1ピースに変更されたものでペグは1966年よりジャズベース、ムスタングベースなどに使用されていた”パドルペグ(丸型)”が採用されています。このパドルペグは1968年まで使用されていましたので初期の年代を判断できるパーツでもあります。 ベースプレートはオリジナルプレシジョンと同様に2ウェイのサドルですが、今回の1968年製は現行の4ウェイにプレートごと交換されています。実際この方がオクターブ調整ができ演奏上は改良されたといえるでしょう。これにより本来はボディ裏から弦を通すスタイルで、ボディ裏にブッシュが4つ埋め込まれていますがこれもブリッジ交換時に取り外されております。 1968年に復刻されたテレキャスターベースは1979年まで生産されました。その間にピンクペイズリー、ブルーフローラルの当時の流行をよく捕らえたデザインのものが開発されたり、1970年にはフレットレスがオプションで登場し、1972年にはハムバッカーピックアップに変更されました。 シングルピックアップのものは見た目は小さく音量は小さいのではと思いますが、実際は太く奥深い豊かな低音がありテレキャスターのイメージの芯がある音も存在しロック向きです。今ではフェンダージャパン、カスタムショップなどで再生産されることもありますが1968年頃までのフェンダーはとても音が良く40年も経つとルックス、サウンド共になかなかのものです。 そして”ZZ TOP”などのアメリカン・ロックには最適ではないでしょうか? オーアメリカン! <お問い合わせ> 石橋楽器 池袋店 TEL 03-3980-1484 ikebukuro@ishibashi.co.jp
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