Ishibashi Mail Magazine Vol.56
前回は戦前のOOOモデルについてご紹介いたしましたが、今回は戦後モデルの仕様変更について前回の続きからお話し1973年のOOO-28をご紹介いたします。 まず戦後大きな仕様変更があります。それは今まで使用していた”アディロンダック・スプルース材”が”シトカ・スプルース材”に変更になります。50年代60年代もまれにアディロンダック・スプルース材は使用されますがほとんどはシトカ・スプルース材が使用されています。また戦後になり金属の供給が安定してきてロッド材がスティールのものに戻ります。28スタイルの指板はドットタイプに1944年より変更になりシンプルになっていきます。 ルックスはアディロンとシトカで材の色合いやトーンも違いアディロンは明るめなトーンで焼け方はオレンジ風でシトカはやや茶色風な塗装焼けになり、雰囲気の違いがありますが1947年にはヘリングボーン・トリムのボディ外周インレイが白黒のプラスティック・トリムに変更になり顔つきがかなり変わります。 1960年代になると仕様変更がさらに目立ちだします。1960年代初頭になるとペグヘッドの角が丸くなってきてグローバーペグも使用しているのでやや丸い印象で、音色は安定した丸みのあるトーンになってきます。グローバー・ロトマチックは50年代後半から採用され始めましたがクルーソン等に比べると質感、重さが違うので音の立ち上がり方、サスティーンが異なり、このあたりはエレキギターと共通する部分でもあります。 1964年にはそれまでのロングサドルから埋め込みタイプの短いものに変更され、従来のブリッジ土台の面積は上下にやや広くなり強度が増加しました。ここでも音色のキャラクターが変わります。サドルの面積や埋まり具合でトーンはかなり変わりますので調整等がシビアな部分でもあります。 1966年にはヘッドの角が再度角張りピックガードがベッコウ柄から黒のアセテート材に変更になりヘッドデカールロゴも変更されます。1960年代後半のルックスになり時代を判断する部分でもあります。翌年にはロッドバーがTバーからスクウェアータイプに変更になり、1969年にはハカランダ材からインディアン・ローズウッドに変わります。1973年にはナット材はプラスティクに変更されその後1975年にはNASAが開発した”ミカルタ”が使われるようになります。 今回のOOO-28はペグ交換された後、再度グローバーペグに戻されております。グローバーペグで黒ガード、インディアンローズウッド・サイドバックと1970年代の特徴があり、サウンドは軽すぎずしっかりと各弦の音が出ており、コード弾きの時は音がまとまり、アンサンブルの中でしっかりと存在感がでます。程よく枯れた感じで使いやすく人気のある年代です。 1970年代のアコースティックサウンドを求めるには最適です。時代の音がとてもよく出ているのでビィンテージサウンドを体感できと思います。オ〜アメリカン! <お問い合わせ> 石橋楽器 池袋店 TEL 03-3980-1484 ikebukuro@ishibashi.co.jp
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