Ishibashi Mail Magazine Vol.0
1902年マーチンは当時最大のボディサイズOOO(Auditorium)の製作を開始いたしました。当初はOOO-21,OOO-28を発表しましたが今回ご紹介するOOO-18が登場するのは1911年で、サイドバックにハカランダ材を使用しており、現在のようにマホガニー材を使用し始めたのは1917年でした。 当時の000のスケールは24.9インチでしたが、1924年に24.9インチ(632.5㎜)から25.4インチ(632.5㎜)になります。その後現在の000のスケール24.9インチに戻るのは1934年になってからであり、前年にOMモデルがOOOモデルに移行したことが理由で、1933年マーチン社はOMの名前を使用中止にし、OOOに引継ぎその後OMのモデルが復活するのは1960年代後半になってからでした。 OOOは最初12フレットジョイントでしたがOMから引き継がれることにより1934より14フレットモデルが誕生します。14フレットが誕生したのは1929年OM-28モデルがきっかけで、当時のプロバンジョープレイヤーの”ペリー・べクテル”がマーチン社と話しより、幅広い音域での演奏が可能な14フレットモデルで作れないか提案したことが始まりでした。この年にマーチン社はすぐにサンプルを製作し半年のうちに11台製作したといわれています。 1935年になるとサウンド面で重要なポイントとなるブレーシングの位置がサウンドホールからやや遠ざかり、指板とブリッジがローズウッドへ変更になりだします。1936年にはバインディングはベッコウ模様セルロイドになります。 今回の1943年は”スキャロップド・ブレーシング”ですが、翌年からはトップ材強度不足対策として”スキャロップド・ブレーシング”は廃止になりそれにともないブレーシングの幅も少し太くなります。シリアル89226より変更になるため今回ご紹介する000-18はシリアル84901ですので、ぎりぎりスキャロップド・ブレーシング・サウンドが味わえます。 細かい部分ですと今回のOOO-18のロッドはエボニー製で1942〜1945年頃は戦争による金属不足の為ロッドに金属は使用していませんでした。戦後はまた”スティールTバー”に戻りますが、このトラスロッドの関係はギブソンのアコースティックも金属不足の関係でこの時期ロッドなしのモデルが存在していました。時代背景により共通点はブランドが違えどあり年式を判断するところでもありサウンドもこだわれる部分でもあります。 次回もマーチンの世界をご紹介いたします。歴史があるブランドは深いですね。オ〜アメリカン! <お問い合わせ> 石橋楽器 池袋店 TEL 03-3980-1484 ikebukuro@ishibashi.co.jp
|