Ishibashi Mail Magazine

Ishibashi Mail Magazine Vol.39

映像の中の楽器たち [Chapter:31 LIVE / TOTO]


  この映像は90年に発売されたベスト・アルバム「PAST TO PRESENT 1977-1990」と並行して行われたツアーのパリ公演を記録した物である。ドラムのジェフ・ポーカロがまだ生存している時代の貴重な映像でもある。

 TOTOの日本での初来日公演は80年。この前の年までボズ・スキャッグスのバックバンドとして活躍していたスタジオ・ミュージシャンの集団がそのままバンドに成長していったのである。日本での人気は不動のもので、2年後の2度目の来日時には武道館のステージに立っていた。この当時の日本のポップス・シーンもこの影響をモロに受け、サウンドのほとんどが”TOTOっぽいサウンド”に仕上げられていたのもまた時代である。

 そしてTOTOには他のバンドと比較にならないところが一つある。それはよくボーカリストが変わることだ。初代のヴォーカリストはボビー・キンボールでその後この映像のボーカリストになるまで数人入れ替わっているほどである。しかし、ヴォーカルが変わるとバンドのサウンド自体が変わることが多いが、TOTOはまるっきりと言っていいほどサウンドに変化が出ないのが特徴でもある。そしてこの映像でもクレジットにヴォーカルの名前があやふやになっているのがわかるのだ。

 また、バンドのスポークスマンでもあるギターリスト、スティーブ・ルカサーもまた非常に歌が上手い。それがボーカルを固定しなくても安定してしまう原因の一つであることは間違いないと思う。そのルカサーが映像の中で使用しているギターがヴァレーアーツのロボット・ストラトだ。単純にロボットのペイントがしてあるのでそのように呼ばれている。サブギターは同じくヴァレーアーツのサンバーストのストラトで、この時代高額なギターの象徴でもあるコンポーネント・ギターであった。

 時代によってはIbanezのRS等を使用していた時期もあったが、やはりこのストラトが彼には似合っている。最近はもっぱらミュージックマンのLUKEを使っているが、ヴァレーアーツ・ギターでまたステージに立ってもらいたいものだ。

 キーボードのデビッド・ペイチはYAMAHAで固めている。主にSY-77とKX-88で全てのサウンドをまとめていると言っても過言ではない。また忘れてはならないのはドラマーのジェフ・ポーカロ。10インチのタムを4点セットに加えてセッテイングするのは彼が世界に広めたと言っても過言ではない。また、ジェフ・ポーカロモデルのスティック(PEARL 110H)は現在でもベストセラーである。

 TOTOは過去に11回も来日している。初来日公演でさえ東京5公演の全9公演という人気振りであった。メロディーラインも日本人のツボに入り、演奏もバカテクと来たら人気が出るのも当然と言えよう。また、前記でふれたボズ・スキャッグスの初来日公演(78年)はバックがTOTOであったが、私の定かで無い記憶では2度目も全員ではないが来日していたような気がする。ギターはマイケル・ランドーだったかな?

 それくらいTOTOとボズは切り離せない。その切り離せない2つがまた一緒に日本にやってくるではないか。3月に東京ドーム横にオープンする「JCBホール」の?落としがこの2組。既にチケットは全公演ソールドアウトと聞いている。そして、この記事を書いている時、臨時ニュースが・・・TOTO無期限活動停止!これは解散かな〜?
見に行きたいな〜、とりあえずこの映像で我慢するとします!

[LIVE / TOTO]

1.CHILD'S ANTHEM
2.AFRICA
3.GEORGY PORGY
4.I'LL BE OVER YOU
5.DAVID PAICH SOLO SPOT
6.I WON'T HOLD YOU BACK
7.LITTLE WING
8.WITHOUT YOUR LOVE
9.ENGLISH EYES
10.ROSANNA
11.AFRAID OF LOVE
12.HOLD THE LINE

Steve Lukather (Gt,Vo)
Jeff Porcaro (Dr)
Michael Porcaro (Ba,Vo)
David Paich (Key,Vo)
John Jessel (Vo,Key)
Chris Trujllo (Pac)
Jenny Douglas (Cho)
Jassi Mcghee (Ch)
Jean Michel Byron (Vo,Ch)

2度目の来日公演チケット


ボズのチケットも載せてみました。こちら2回目の来日。