1960年代に登場したトランジスター・オルガンであるオリジナルVOX Continentalは、「バンドのキーボーディストが、ライブで使える実用的なキーボード」として数多くのトップ・プレイヤーに愛されていました。そして、そのコンセプトを現代に受け継いだ全く新たなキーボードが、再び VOXブランドから産声をあげます。
VOX Continentalは、各機能に素早くアクセスできるシンプルで直感的なインターフェイスを採用。オルガン、エレクトリック・ピアノ、アコースティック・ピアノを中心とした高品位な音源部は、ライブ演奏でこそ使える音色の数々を内蔵しています。さらにそれらを彩る強力なエフェクト・セクションや、新真空管Nutubeによるバルブ・ドライブまでをも搭載。ロック、ポップ、ジャズと、多種多様なジャンルにフィットしたライブ・パフォーマンスを実現します。
VOXオルガンが醸し出す伝統の重みと、光り輝くVOXロゴがあたかも表現する革新性。両者を融合させた新しいVOX Continentalが、ステージ・キーボードの存在を再定義します。
キーボーディストが最も華やかに活躍する場面、それはライブ・パフォーマンス。VOX Continentalは、ステージでの演奏性に焦点をあてた直感的インターフェイスで、あらゆる機能にフロント・パネルから素早くアクセスできます。
ORGAN、E.PIANO、PIANO、KEY/LAYERの4つのパートが独立し、オン/オフ/レイヤーを瞬時に切り替えできる分かりやすいパネル・レイアウト。プログラムやエフェクトの設定をすぐに呼び出せるシーン・メモリー。オルガン・ドローバーのほか様々なパラメーターをコントロールできるタッチ・センサー。これら全ての機能が、ステージで日々演奏するキーボーディストのために設計されています。
約10GBもの大容量メモリーを備えるVOX Continentalは、極上の響きを奏でる上質なPCM音源から、ビンテージ・サウンドの高度なモデリング音源まで、ライブ演奏のために厳選した150のプログラムを内蔵しています。
ORGANパートには、3つの異なるサウンド・エンジンを搭載しています。トランジスター・オルガン音源VOXでは、1960年代に発売されたまさにオリジナルのVOX Continentalサウンドが完璧に蘇ります。同じくトランジスター・オルガン音源であるCOMPACTは、VOX Continentalと同時代を彩った小型オルガンを細部まで再現しました。トーンホイール・オルガン音源CX-3は、往年の名器であるコルグのコンボ・オルガンを忠実にモデリング。これらオルガン音色は、画期的なタッチ・ドローバーによって、ハーモニーやトーンを自由自在にコントロールできます。
またVOX とCX-3では、アッパー(上側鍵盤)とロワー(下側鍵盤)の切り替えやスプリットをボタンひとつでセッティング可能。CX-3ではアタック音を加えるパーカッション、COMPACTでは甘くメロウなサウンドから独特な鋭いサウンドまでを作るMTB(マルチ・トーン・ブースター)ももちろん備えています。
さらにいずれの音色でも、ビブラート/コーラス、そしてロータリー・スピーカー・シミュレーションをワンタッチで素早くオン/オフ可能。ボイシング・レベルでビンテージ・エフェクトまでもがカバーされており、オルガン・プレイの醍醐味を余すところなく堪能できます。
金属棒を叩いて発音する方式のTINE、振動板を叩く方式のREEDというビンテージ・エレクトリック・ピアノのモデリングに加え、80'sサウンドを代表するFMエレクトリック・ピアノの3タイプを用意。リアルに再現されたアンプやキャビネットのモデリング、そして丁寧にサンプリングした倍音豊かなFMが高品位なエレピ・サウンドを提供します。
最高峰の響きを持つGRAND、アップライト・ピアノ特有の上質な深みあるUPRIGHT、そしてポピュラー・ミュージックに最適なエレクトリック・グランドE.GRANDという3タイプを内蔵。GRANDとUPRIGHTでは全ての鍵盤でノン・ループのステレオ大容量サンプルを贅沢に収録し、繊細で力強い、表現力豊かなピアノ・サウンドをプレイできます。
KEY、BRASS、STRINGS、LEAD、SYNTH、OTHERという6つのカテゴリに、バンド・アンサンブルで即戦力となる実用的な音色の数々を収録。あらゆる楽曲のキーボード・パートを完璧にカバーします。
音色パートと同じく直感的な操作性を突き詰めた、ライブのためのエフェクト・セクションを装備。強力な6タイプのEFFECT(CHORUS、PHASER、FLANGER、COMP、DRIVE、WAH)、4タイプのDELAY、5タイプのREVERB、そしてEQを備え、それぞれ独立したノブとスイッチが多彩なサウンド・コントロールを素早く可能にします。
VOX Continentalのインターフェイス最大の特徴が、様々に姿を変える革新的なLED付タッチ・センサーです。
・ORGANパート演奏時には、指先でダイレクトにコントロールできるタッチ・ドローバーとして
・KEY/LAYERパート演奏時には、EGやフィルターなどのパラメーターをコントロールするスライダーとして
・EQオン時には、9バンドのグラフィカル・マスターEQとして
指先で軽く触れるだけでスムーズに反応する静電容量方式のタッチ・センサーで、ドローバーとしてのクラシカルな操作感と、現代的なプログラマブル性を実現。
またすり鉢状にくぼんだ形状は指先のなめらかな動きをアシストするとともに、演奏中に視線を送らずとも感覚的にどの程度上下させているかを判断することが可能です。よくある物理スライダーでもなく、ボタン式でもない、プレイヤーの感性に徹底的に寄り添った、タッチ・センサーだからこその画期的な使い心地を提供します。
また、もうひとつのコントローラーとしてベンド・レバーを装備。ロータリー・スピーカー・シミュレーションのスピードや、トレモロ、ピッチ・ベンドを自在にコントロールできます。
圧倒的な存在感と、真空管の暖かみをプラス。コルグの新真空管Nutubeによるバルブ・ドライブが、モデリングでは得られない豊かな倍音、スムーズな歪み、密度感のあるファットなサウンドを生み出します。ドライブのニュアンスは専用スイッチとノブで演奏中も直感的にコントロールが可能。またNutube回路が放つ光がその効果を視覚的にアピールします。
Nutubeとは
コルグとノリタケ伊勢電子の共同開発により誕生した新真空管。従来の真空管と同じく、アノード・グリッド・フィラメントの構造を持ち、完全な3極真空管として動作し、また従来の真空管と同様、真空管特有の豊かな倍音を生み出します。ノリタケ伊勢電子の蛍光表示管の技術を応用することにより、その構造を工夫し、従来の真空管と比べ、大幅な省電力化、小型化、品質向上に成功しました。
ライト・タッチの新開発ウォーターフォール鍵盤を採用。グリッサンドやトリルなど、オルガン特有の奏法を完璧に表現します。またセミ・ウェイテッドで、ピアノやエレピの演奏にも優れた弾き心地を実現。複雑なコードや難易度の高いフレーズの演奏でも、繊細なベロシティ・コントロールを可能にします。
打鍵の強弱(ベロシティ)に対する音量や音色の変化具合をコントロールできるダイナミクス・ノブを搭載。ノブを左に回すと、ピアニッシモからフォルテシモまで幅広い抑揚を表現でき、ソロや弾き語りに適した感情豊かな演奏が行えます。反対にノブを右に回すと、打鍵の強弱に関わらず均一で強めの音が鳴らせるようになり、バンド・アンサンブルの中でも抜けの良いバッキングなど、音色を際立たせたプレイが可能です。
気に入った音色やよく使うバリエーションは、シーンとして16個(4シーン×4バンク)まで登録、演奏中でも瞬時に呼び出せます。また16個のシーンを最大100セットまで市販のUSBストレージ・デバイスに保存/読み込みが可能。複数のバンドで活躍するキーボード・プレイヤーでも、セットを入れ替えれば混乱せずにすぐ必要な音色でプレイできます。
ボリューム/エクスプレッション・ペダル(V861)と専用キーボード・スタンド(ST-Continental)が標準で付属。コンパクトで頑強なアルミ筐体に高級感あるブラック・アルマイト仕上げのV861は、2系統のINPUT/OUTPUT端子と1系統のEXPRESSION端子を備え、音量やワウのコントロールなどを行えます。
往年のVOXオルガン・プレイヤーを彷彿とさせるデザインのST-Continentalは、サイドのレバーにより容易に角度調整が可能。VOX Continental本体を完全にネジ止めできるので、演奏中に角度を傾けたり、パネルや鍵盤をオーディエンスにアピールする大胆なチルト・セッティングに対応します。現代の新しいキーボード・ヒーロー像を提示する、ライブ・パフォーマンスのための専用スタンドです。