0フレット仕様。

サム・プリント(親指の跡)指板インレイ。

ボディ・トップ側のバインディングがユニークだ。

F穴はフェイクで、ペイントだけを施したシミュレイテッドFホール。

マグネットとコイルの配置が独特なハイロートロンPU。

ハイロートロン・ピックアップのカバーを取り外した様子。

1961 Gretsch Chet Atkins Tennessean PX 6119 Cherry

Detail of 1961 Gretsch Chet Atkins Tennessean PX 6119 Cherry

1958年にチェリー・フィニッシュの1マイク仕様で発表。PX 6120やPX 6122の弟分として発売されましたが、1961年に現在の使用と同じく2ピックアップ仕様に変更されました。

また、1961年製は1962年以降のモデルとルックスは似ておりますが、実はボディ厚が2 1/4インチと厚めに作られており、ホロウ・ボディならではの箱鳴りが魅力となっております。シミュレイテッド・ホールには、白い縁取りペイントはなく、50年代のグレッチ特有の雰囲気を醸し出しております。

また、テネシアンならではのダーク・チェリー・フィニッシュが色濃く残り、現存するテネシアンのほとんどがチェリー・カラーの褪色した茶色となっておりますので、大変保管状態が良かったのではないかと推測されます。

テネシアンにはハイ・ロー・トロン・ピックアップがマウントされ、配線作業の簡略化のためにコネクターを使用した接続の仕方をしており、これは他のメーカーでは見られない製造法でもある。サウンドはシングルコイルらしいワイルドなサウンドで、ポップスからロックまで幅広く活躍し、60年代のイギリスのマージー・ビートではジェリー&ザ・ペースメーカーズや、ビートルズのジョージ・ハリスンが愛用していたことで知られます。ビートルズのマネージャー、ブライアン・エプスタインが手配したのか? それとも両バンドともに同じマネージメント社に所属していたことから、同じくテネシアンをゲットしたのか?

グレッチといえば、ブライアン・セッツァーやニール・ヤングなどの名前が良くあがるが、最近では若いアーティストにも人気があり、日本のバンドでも数多く目にするようになっている。古いものというだけでなく、その斬新なサウンドに惹きつけられるのであろう。年齢は関係ないのである。

Written by プロフェッサーKenny 岸本

平成8年入社。ヴィンテージ・ギターに関しての知識はイシバシでNo.1! プロ・ミュージシャンのお得意様も多く、彼のマインドに惚れ込み、多数お店に通っていただいている。また、英語力もまずまずのため、直接ギター工場のマスター・ビルダーたちと話し合いすることも。彼自身のフェイバリット・ミュージックはカントリー・ロック、ブルーグラスなど。