1954 Gibson LG-1 1967 Gibson B-25 Extra Edition

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1954 Gibson LG-1 1967 Gibson B-25 Extra Edition

前回に続き今回もLGシリーズをご紹介いたします。写真のLG-1はLG-2よりさらに安価なスモール・ボディのフラット・トップ・アコギとして1947年に登場しました。見た目はほとんど同じですが、ボディ内部構造を簡素化することによってコストダウン化に成功。

スティール弦アコギの場合、ボディ・トップの補強としてXブレイシングを採用しているケースがほとんどで、LG-2においても同パターンを採り入れていますが、LG-1はラダー・ブレイシングと呼ばれるパターンを用いています。

Xブレイシングは2本の大きな力木が文字通り“X”字型に交差させた構造。これに対してラダー・ブレイシングは、ボディを立てた際、横方向へ平行に3本の力木を並べただけのシンプルな構造で、その見た目が梯子(はしご=ラダー)に似ていることから、この名前が付けられています。ちなみにサウンド・ホールから覗き込むか、ボディ内に手を突っ込んで触ってみると、その様子が確認することができます。

サウンド的にはXブレイシングの方が音量は大きく、低音もふくよか。一方のラダー・ブレイシングは、輪郭のすっきりとした素朴なサウンドが持ち味となっており、特にブルース系のギタリストの間で人気があります。

LGシリーズにはLG-1の他、2機種が存在します。まず一番低価格帯のLG-0ですが、ボディ・サイド&バックのみならず、トップにもマホガニーを使用。ナチュラル・フィニッシュが施され、ボディ内部構造はLG-1と同様、ラダー・ブレイシングを採用しています。発売されたのが1958年。LGシリーズの中で最も遅く登場したモデルでしたが、生産終了になったのはその分遅く、1973年まで存続しました。

セルロイド製のピックガードをネジで固定するなど、コストを下げるための工夫が随所に見られますが、サウンドはマホガニーならではの深みと柔らかさを兼ね備え、これにスモール・ボディ特有の繊細な高域がミックスされ、総合的にはブルージィなサウンドが持ち味となっています。

もうひとつの機種がLG-2のナチュラル・バージョンのLG-3です。J-45(サンバースト)とJ-50(ナチュラル)が同仕様の色違いという関係とまったく同じで、ブリッジ・ピンが黒でなく白いものを使用している以外、構造はほぼ同一と見ていいでしょう。発売はLG-2より少し遅れて1946年からで、後継機種のB-25の登場により生産終了となりました。

最後に1967年製B-25をご紹介いたします。この個体の主なスペックを列挙しますと、ボディがスプルース(トップ)、マホガニー(サイド&バック)からなり、ブリッジはアッパー・ベリー・スタイルのアジャスタブル・サドル・ブリッジ、厚めのラージ・ピックガードという仕様になっております。

Written by デューク工藤

本連載を執筆していた当時は渋谷店に勤務し(現在は御茶ノ水本店FINEST GUITARS在籍)、プロフェッサー岸本が一番弟子と認めた存在。数々のレジェンダリーなヴィンテージ・ギターを師匠と共に見て触わり、オールド・ギターに関する知識を蓄積。自身のフェイバリット・ミュージックは60~70年代のロックとブルースで、音楽趣向においてもヴィンテージ路線は貫かれている。

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