黒の縁取りが太く、ダークな印象の60年代初期サンバースト。

スパゲッティ・ロゴの入ったスラブ・ボード・ネック。

ネック・デイトは鉛筆書きで年月が記されている。

ネック・ポケット全体に塗装が乗っている。

コーネル・ダブラー製のキャパシターが確認できる。

鉛筆書きのボディ・デイトが見られる。

この冊子は当時のインストラクション・マニュアル。

1960 Fender Stratocaster 3 Color Sunburst

  • Brand: Fender
  • Model: Stratocaster
  • Color: 3 Color Sunburst
  • Year: 1960
  • Neck Date : 9-60
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1960 Fender Stratocaster 3 Color Sunburst

1958年より製作が始まるのが3トーン・サンバーストである。そして、ローズウッド指板の製作が1959年より開始され、同年から1962年にかけて製作されたのがスラブ貼りによるローズウッド指板ネックである。

ボディを見ていくと、当時の塗装方法は、ネイル・ポケットと呼ばれる小さい穴がネック下部とブリッジ上部とジャック部に存在し、この穴には塗装の段階で釘が打たれ、床置きにし、塗装を吹いたり、積み重ねて乾燥させたりという具合いに使用されていた。

 ヘッド部では、パテント・ナンバーのないデカールが使用された最後の年であり、シンプルな50年代スパ・ロゴの最終型となる。ネック・デイトは鉛筆書きで「9-60」と記され、60年9月製作と読み取ることができる。

 スラブ・ボード期の1959年後半から1960年にかけてのサンバーストは、赤が褪色しやすく、2トーン・サンバーストに見えるものがあり、俗に「ハニー・サンバースト」と呼ばれている。 スラブでハニー・バーストのオフセット2ピース・ボディのストラトは、フェンダー社マスタービルダーのジョン・イングリッシュやジョン・クルーズたちが当時の製法まで研究し、究極のレプリカ製作を手がけているところである。

 近年、レリックなどの製作技術も向上し、加えてマスター・ビルダーという究極の製作者も生まれ、歴史を復元できる環境が整ってきたようだ。先月発売されたジェフ・ベック・シグネチャー・テレキャスターも、ジェフ本人が手にした時、自分のギターが帰ってきたと思うくらいに精巧に作られていて感激したという。60年代に輝いていたカラーを、あたかもその時代のままに再現できる技術は、既に目の前にあるようだ。

Written by プロフェッサーKenny 岸本

平成8年入社。ヴィンテージ・ギターに関しての知識はイシバシでNo.1! プロ・ミュージシャンのお得意様も多く、彼のマインドに惚れ込み、多数お店に通っていただいている。また、英語力もまずまずのため、直接ギター工場のマスター・ビルダーたちと話し合いすることも。彼自身のフェイバリット・ミュージックはカントリー・ロック、ブルーグラスなど。