1968 Gibson ES-125TDC Sunburst

  • Brand: Gibson
  • Model: ES-125TDC
  • Color: Sunburst
  • Year: 1968
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1968 Gibson ES-125TDC Sunburst

ES-125は1956年に、シングル・ピックアップ、ノン・カッタウェイ、シン(薄型)ボディという仕様で登場しました。その後1957年に3/4サイズのダウン・サイズ・バージョンが登場し、それらの見た目はES-140のようでした。1957年にはP-90ピックアップをふたつ搭載したバージョンも登場しましたが、セールス的には恵まれず、1963年には生産終了になりました。その代わりに1970年のギブソン社(CMI)時代まで生産されたのが、今回ご紹介するES-125TDCです。

ES-125TDCはシン・ライン、デュアル・ピックアップ、シングル・カッタウェイのモデルで、1960年に登場。同時にシングル・ピックアップの仕様も発表されました。

1960年までのホロウ・ボディ・モデルは、カッタウェイ部の先端が丸い、通称“ベネチアン・カッタウェイ”が採用されていましたが、1960年以降から先端が尖った、通称“フローレンタイン・カッタウェイ”シェイプに変更。サウンドはよりシャープになり、音抜けにも優れていることから、大変人気があります。

P-90ピックアップは時代により内部構造が異なり、初期から50年代初頭のもの、50年代のもの、60年代初頭から中期のもの、という風に分けることができます。ちなみに60年代のものは50年代製と比べて、見た目はさほど変わりませんが、内部のマグネットの大きさが50年代のものより小型になります。

そして今回のES-125に搭載されているのは60年代後半製のもの。金属パーツのメッキがニッケルからクロームへと変更される時期と重なっていることもあり、このES-125はブリッジとテイルピースのみならず、ピックアップのポールピースもクローム・メッキが施されています。

1970年代にピックアップの仕様はさらに大きな変更が行なわれます。ボビンがクリアのプラスティック製になり、ワイヤーの皮膜もエナメルからウレタン系のものへと変わります。

ピックアップの高さ調整は、マホガニー材などのシムを挟んで設定するようになっており、ネックの角度によってはシムの厚さを変えていきます。

1960年代後半になりますとサンバーストの色合いも濃くなり、渋めなテイストになります。これはギブソンのアコースティックとも共通点があり、ES-125も1960年代中期のものは赤目のサンバーストが多い傾向が見られます。

40年経った今も綺麗な状態で残っているギターは少ない中、今回のES-125は非常にコンデイションが良く、さらにケースには当時のタグも付属しており、コレクターからプレイヤーまで惹きつける魅力がギターから醸し出されています。ブルージーな音もすぐに出せると思いますよ!

Written by デューク工藤

本連載を執筆していた当時は渋谷店に勤務し(現在は御茶ノ水本店FINEST GUITARS在籍)、プロフェッサー岸本が一番弟子と認めた存在。数々のレジェンダリーなヴィンテージ・ギターを師匠と共に見て触わり、オールド・ギターに関する知識を蓄積。自身のフェイバリット・ミュージックは60~70年代のロックとブルースで、音楽趣向においてもヴィンテージ路線は貫かれている。

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