1964 Gibson ES-330 Cherry

  • Brand: Gibson
  • Model: ES-330
  • Color: Cherry
  • Year: 1964
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1964 Gibson ES-330 Cherry

ブル・カッタウェイのホロウ・ボディ・モデル、ES-330TD。1959年に発表され、ES-335より深くジョイントされたネック、P-90ピックアップ、トラピーズ・テイルピース、オーナメントのないヘッドストック、プラスティック・ツマミのぺグと、シンプルなデザインで人気の高いモデルだ。発売当初はドット・インレイにピックアップ・カバーが黒プラスティックであったが、1962年にスモール・パーロイド・ブロック・ポジションになり、その後ピックアップ・カバーはメタル製のものが採用された。

ピックアップをひとつだけ搭載したES-330Tも存在するが、今回紹介するのは2ピックアップ・バージョンの1964年製ES-330TDC。ちなみに末尾の“TDC”は、“Thin body(薄いボディ)、Dual pickup(ピックアップを2個搭載)、Cherry(チェリー・フィニッシュ)”の略となっている。この年代のチェリーは色鮮やかなものが多く、今回のES-330は40年以上経った今でも綺麗に赤味が残っており、見目麗しい美人だ。

ブル・カッタウェイのホロウ・ボディ・モデル、ES-330TD。1959年に発表され、ES-335より深くジョイントされたネック、P-90ピックアップ、トラピーズ・テイルピース、オーナメントのないヘッドストック、プラスティック・ツマミのぺグと、シンプルなデザインで人気の高いモデルだ。発売当初はドット・インレイにピックアップ・カバーが黒プラスティックであったが、1962年にスモール・パーロイド・ブロック・ポジションになり、その後ピックアップ・カバーはメタル製のものが採用された。

ボディとネックのジョイント箇所だが、ES-335が19フレット上なのに対して、ES-330は16フレットで組み込まれているため、ネックが短めに見えるが、24 3/4インチ・スケール/22フレットと、ES-335と同じ仕様だ。

しかしボディの構造はES-335と違い、センター・ブロックがなく、完全な空洞になっているのが特徴だ。また、ボディ内にはシリアル番号とモデル名が記載されたラベルはなく、ES-330TDCとモデル名が黒インクでスタンプ。一方のシリアル番号については、6桁の数字がヘッド裏に刻印されている。

1964年製のネックは、握りがいのある少し太目なグリップで、箱物好きには人気の高いシェイプとなっている。指板には、目の詰まったブラジリアン・ローズウッド材(ハカランダ)を使用しており、見た目の美しさのみならず、サウンド面でも極上のトーンを生み出すのに寄与している。

1964年製ES-330TDCの出荷本数はトータルで693本。ちなみに同年のES-335が892本だったのと比べて少なかったことがわかる。加えて今回紹介している個体のようにコンディションの良いものとなると、その数はグッと減少する。ミント状態のヴィンテージ・ギターは言うまでもなく、人気が非常に高い。

アンプにプラグドした時のサウンドはブッ太い上に、フル・アコースティック・ボディゆえに生音も楽しめる……そんな魅力にあふれたES-330はヴィンテージ・ギター好きにはたまらない1本であることは間違いない。オールド・スタイルのロックからニュー・エイジ系まで、対応する音楽ジャンルも幅広く、万能に使えるところも人気の秘訣であろう。

Written by デューク工藤

本連載を執筆していた当時は渋谷店に勤務し(現在は御茶ノ水本店FINEST GUITARS在籍)、プロフェッサー岸本が一番弟子と認めた存在。数々のレジェンダリーなヴィンテージ・ギターを師匠と共に見て触わり、オールド・ギターに関する知識を蓄積。自身のフェイバリット・ミュージックは60~70年代のロックとブルースで、音楽趣向においてもヴィンテージ路線は貫かれている。

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