1961年よりショート・ピックガードが採用された。

ペグは2コブ・クルーソンをマウント

1961年からシリアル・ナンバーがヘッド裏に入る。

ブラジリアン・ローズウッド指板に、ドット・ポジション・マークという仕様

ホンジュラス・マホガニー1ピース・ネック

1961 Gibson ES-335TD Cherry Red

  • Brand: Gibson
  • Model: ES-335
  • Color: herry Red
  • Year: 1964
  • Search For: "Gibson ES-335"

1961 Gibson ES-335TD Cherry Red

今回紹介するのは、1961年製ギブソンES-335TD。1958年にセミ・アコースティック・シリーズとして登場したES-335は、厚さは1 5/8インチ(約41.3mm)のボディにメイプル材によるプライウッドを使用。内部構造の特徴となっているセンター・ブロックはメイプル材がコアになっており、表板と裏板の接着面にはスリットが入ったスプルース材が接着されている。

ネックには1ピース・マホガニーが使用され、1965年までのものはブラジリアン・ローズウッドが指板に用いられた。ボディ・シェイプがダブル・カッタウェイ・シェイプゆえに、19フレット上でボディとネックは接がれており、ハイ・ポジションまで弾きやすい構造になっている。

1961年製の大きな特徴がドット・ポジション・マークで、翌62年からはブロック・ポジションへと変更されてしまう。また1961年よりピックガードがそれまでのロング・ガード(ブリッジの後方まで達する長めの5プライ・ピックガード)よりショート・ガードに変更された。

1958?60年まで、ピックガードはアーチトップ・モデルと共通のものを使用。ピックアップの位置がES-335用にかみ合うように加工調整したものをマウントしていたのだが、1961年よりES-335のボディ・サイズのバランスを考慮して、専用デザインのショート・ガードに変更されたのである。

オールドのES-335の中で、ドット・ポジション・マーク+ショート・ピックガードという仕様を見れば、1961年製とすぐに判断が付くであろう。さらに細かく仕様を見ていくことにしよう。まずシリアル・ナンバーだが、1961年以前はヘッドの裏側には存在せず、6弦側ボディ内に貼られたオレンジ・ラベル上に記され、Aから始まるアーチトップ・ギター用の専用ナンバーが書き込まれた。それが1961年からは他のモデルと共通のシリアル・ナンバーがヘッドストック裏側に打刻されようになった。

それと外見で魅力的なのがボディ・ホーン部のコブである。64年からはやや先が尖った形状になるが、この頃のものは力コブのようにホーン部が立体的に盛り上がっており、美しいラインが魅力的である。

サウンド面で大きなポイントは、ピックアップ。1961年までのギブソン・ハムバッカー・ピックアップは[PAF(パテント・アプライド・フォー:特許出願中)]が搭載されており、以降のものはPU内部のマグネットがひと回り大きくなった、ホット気味なサウンドがするものに変更となり、これらは大変人気が高い。

セミアコはボディ内が空洞になっていて、ジャズやフュージョン向きと思われがちだが、実際には、この年代のES-335は物凄くパワフルで、ヴォリューム・コントロールの可変次第で、かなり幅広いサウンドが作り出すことが可能だ。特にオーバードライブさせた時のサウンドは、嫌なことを全部忘れさせてくれるような爽快感がある。

1961年製ES-335は、一度弾いてしまうと虜になってしまう魅力がたくさん詰まっており、今でもこのサウンドを探し求めている人が絶えません。

Written by デューク工藤

本連載を執筆していた当時は渋谷店に勤務し(現在は御茶ノ水本店FINEST GUITARS在籍)、プロフェッサー岸本が一番弟子と認めた存在。数々のレジェンダリーなヴィンテージ・ギターを師匠と共に見て触わり、オールド・ギターに関する知識を蓄積。自身のフェイバリット・ミュージックは60~70年代のロックとブルースで、音楽趣向においてもヴィンテージ路線は貫かれている。

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