リバース期では段差が付いていたりと凝っていたヘッド・デザインが、ノン・リバースではシンプルになった。

リバース期で採用されたバンジョー・スタイルのペグは廃止され、通常のクルーソン・ペグが搭載された。

ノン・リバースのファイアーバードIは、P-90を2発搭載。ちなみにIIIは3発マウントしていた。

ブリッジはストップ・バー・タイプで、テイルピースはマエストロ・ビブラートという仕様。

フロントPUとリアPUに対して、それぞれにボリュームとトーンが付く。ジャックはトップ・マウント。

キャビティ内には、ノイズ軽減のために金属シールディング板がはめられている。

1966 Gibson Firebird I Non-Reverse Sunburst

  • Brand: Gibson
  • Model: Firebird I Non-Reverse
  • Color: Sunburst
  • Year: 1966
  • Search For: "Gibson Firebird"

1966 Gibson Firebird I Non-Reverse Sunburst

1960年に入ると、ギブソン社は大幅なモデル・チェンジを行ない、新しいコンセプトのギターを世に送り出している。今回ご紹介するファイヤーバードもその代表格と言えるモデルだ。50年代はレス・ポール・モデルを代表とするエレキ・ギター・シーンを構築してきたギブソン社であるが、これらの伝統的なデザインは60年代に入ると古臭いものとして捉えられるようになった。かたやライバルのフェンダー社は当時、ジャズマスターやジャガー、ムスタングといった新しいコンセプトを持ったモデルを次々と発表。加えてレオ・フェンダー氏が「ギブソンのコンセプトは古い」というコメントをし、その発言を当時ギブソン社の社長を勤めていたテッド・マッカーティー氏の耳にも入った。このことも含めギブソン社は奮起し、新たなモデルの開発に取り掛かることになる。レス・ポールはSGへとモデル・チェジをし、さらにエクスプローラーやフライングVなどを発表。ただこの両機種は、当時としては10年先を行く斬新なデザインゆえに失敗に終わった。

この失敗が教訓になったのかどうかはわからないが、ギブソン社は車のデザイナーであったレイ・デートリッヒを新たに招き入れて、新作を発表。それが1963年発売のファイアーバードである。同モデルはデザイン面においてエクスプローラーに近いスタイリングながら、より流線的なフォルムに仕上げられ、初の試みであるスルーネック構造が採用された。デザインと構造の両方を刷新し、ギブソンとしては会心作になるはずだったが、問題が発生。オフセット・コンターによるボディのデザインがフェンダー社の特許に抵触するということで、モデル・チェンジを余儀なくされてしまう。よって1963?65年にかけて作られた初期型は、後に「リバース」と呼ばれることになる。

Written by プロフェッサーKenny 岸本

平成8年入社。ヴィンテージ・ギターに関しての知識はイシバシでNo.1! プロ・ミュージシャンのお得意様も多く、彼のマインドに惚れ込み、多数お店に通っていただいている。また、英語力もまずまずのため、直接ギター工場のマスター・ビルダーたちと話し合いすることも。彼自身のフェイバリット・ミュージックはカントリー・ロック、ブルーグラスなど。

御茶ノ水本店FINEST GUITARS

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