…2016年1月…私がフェンダーカスタムショップ出張時にオーダーしたギターが、地球が太陽系をおよそ2周回ったところで 出来上がったという吉報あり、手記をしたためております。恐縮です、渋谷店・店長、野中です。
何をするにおいても常に入念な準備を怠らず、細かいことが気になる僕の悪い癖な私は、旧代理店時代からプロダクト・スペシャリスト認定されていたイシバシ・フェンダー認定スタッフ2名を招集して入念に打合わせを繰り返し、大枠テーマから本当にわずかなこだわりまでを決めて出張に臨みました。成田空港へ向かう電車の中でも、飛行機の中でも、「ディスイズアペン、シーイズナンシー…」とその思いをダイレクトにビルダーに伝えるべく中学英語を復習し最善を尽くしたものであります…。
カリフォルニアの乾いた空気と果てしなく続くフリーウェイのドライブ。ロサンゼルス空港から郊外の街・コロナまで、現地の帰宅ラッシュ渋滞にはまりながらもおよそ12時間のフライトと3時間のドライブを経てやってきましたフェンダー ファクトリー!!! どこまでも続く青空、心地よく乾いた空気、遠くに見える山々、すべてが美しい…、素晴らしい環境の中でフェンダーギターは作られているのでありました。
国内での入念なミーティングの結論で至った今回のオーダーテーマは「ビンテージの再現」や「楽器店の趣味の延長でのリクエスト」ではなく、現在市場に品薄になってきている「あの本物が作った本物のための名品の復刻」という思いで全一致しました。つまり「ギタリストの頂点が至ったあのスペックの製作を一任されているギタービルダーの頂点に、全く同じ一品を製作依頼しよう」という結論に至ったのでありました。
その思いを叶えてくれる今回のテーマのキー・パーソン「トッド・クラウス」。かなりの巨漢で日本では見たことがないようなサイズのスニーカーを履いております。それなのに指先は非常に器用で繊細という、世の女性が「ギャップ萌え」してしまうであろう心憎い素晴らしい男なのであります。丁寧で優しく温厚でありながら強いハートを感じます。語らずとも伝わってくる一流の迫力…やはり噂に違わずいい男だぜトッド・クラウス。
彼は、1981年にジャクソン/シャーベルでキャリアをスタートし、1991年からカスタムショップに従事しているフェンダー・カスタムショップの中心人物。現在では、マスタービルダー面々の頂点に立つ「シニア・マスタービルダー」という肩書きで、今回オーダーするギターを演奏する超一流ギタリストのバックオーダーを多数抱えていることで有名であります。それゆえTKサインの入ったギターを所有することができるのは、一部の限られたプレイヤー、お客様のみになってしまう、まさに泣く子も黙ってお辞儀するくらいの世界超一級のギター・クラフトマンなのでございます。
私なりにトッドの製作したギターをイメージすると「豪快かつ繊細」「大胆かつ丁寧」「重厚でありつつ軽妙」といった相反する言葉ばかりが思いつきます。あくまで私のイメージなのですが、それだけ「深みある」魅力を宿したギターばかりである事を言いたいのであります…。
濃密なミーティングを終えた暁には、2ショットで写真などにも撮影ご協力頂きました。言うまでもございませんが完成度の高さはやはり最高でございます。
是非とも手にしていただきたい!!! 詳細につきましては在庫店舗までお気軽にお問い合わせくださいませ!!!
渋谷店インポートフロア担当。フェンダー・プロダクト・スペシャリスト。
渋谷店、御茶ノ水ROCKSIDE、池袋店、新宿店、御茶ノ水本店を経て現在渋谷店に勤務。過去ヴィンテージの買い付けの経験もあり、以前はヴィンテージ58年のテレキャスターを所有。27年に渡るインポートギター担当ため、フェンダー・カスタムショップ立ち上げの頃から関わっており、ショップオーダー等も手がけておりました。
フェンダー社カスタムディヴィジョンスタッフ公認のプロダクトスペシャリスト。
フェンダーアメリカ工場でのレポート内容はギターマンの夢コラムでもご覧になれます。
フェンダーヴィンテージの取扱い経験も豊富でフェンダーヒストリーにも精通しておりフェンダーサウンドを幅広くご提案できるフェンダー大好きスタッフです。
横浜店勤務時代はデューク工藤に、渋谷店でスターキー星に師事、現在同店にてフェンダーを担当。2人のフェンダーDNAを引き継いだ若手のホープである。彼自身、多数のフェンダーギターを所有しており、中でもジャズマスターにかける愛はイシバシ随一! ちなみに彼が身につけているメガネもフェンダー製なのは言うまでも無い。