歴史上、様々なファズペダルが作られてきました。それらは多くの伝説を作り、特にヴィンテージファズトーンを求めるプレイヤーは後を絶ちません。中でもElectro-Harmonix Big Muff Piは数十年にわたる輝かしい実績と高い評価を得続け、今も進化を続けている世界的にも稀有なファズペダルです。
かつてマイク・マシューズはBig Muffの回路について“強いフィルターを通したファズ”だと語ったことがあります。One Control Baltic Blue Fuzzは、そのアイディアに基づき、BJFが設計した新たな時代のヴィンテージファズペダルです。
Baltic Blue Fuzzの回路は、Big Muffのクローンではありません。しかし、トポロジーは共通しています。
現在のギタリストが特に求めるBig Muffのトーンに“トライアングル”“ラムズヘッド”辺りのトーンがよく挙げられます。実機を比較すれば違いはあるものの、特に“トライアングル”と“ラムズヘッド”の回路はほとんど変わらず、音色も似通っています。この時代のトーンを作るべく、Baltic Blue Fuzzは開発されました。
One Control BJFシリーズは、圧倒的な小型筐体を用い、現在普通に入手出来るコンポーネンツを用いてBJFの設計するオリジナル回路を載せたエフェクターです。普遍的であり、仮に何かあったとしても“どこでも簡単に入手できる”モデルであることが重要だと考えています。
Baltic Blue Fuzzの設計にあたり、BJFは複数の増幅ステージとフィルターを組み合わせました。この設計思想はBig Muffに通ずるものですが、安定性と現代の一般的なコンポーネンツに合わせるため、Op-Ampを用いています。最初期のBig Muff……“トライアングル”や“ラムズヘッド”と聞いて頭の中で鳴る音。それがBaltic Blue Fuzzのイメージです。
Baltic Blue Fuzzは、ヴィンテージマフサウンドを作るペダルであると同時に、特に音が前に抜けることも重視しています。そのため、ヴィンテージBIG MUFFと同等のゲインレンジを持ちながら、少しだけタイトでオリジナルよりも少しだけ低いゲインとなるよう調整しています。また、エレキギターで使用することを前提にチューニングを施し、迫力のあるフィードバックトーンを作ることができるようにフィルタリングを行いました。ヴィンテージファズペダルやそのクローンモデルにありがちなピーキーさも無く、プレイングの安定感も高まります。
さらにBJFはBaltic Blue Fuzzに、ヴィンテージオリジナルモデルとは比べ物にならないほど扱いやすいToneコントロールを与えました。ノブの全域でギターのトーンを破綻させること無く調整できるように設計し、ノブの動きが音として即座に伝わる、高い応答性を持たせました。伝説となったあるプレイヤーは「今欲しい音」を求めるために何台もの同じファズを用意させ、それらを取り替えて使いましたが、Baltic Blue FuzzならばToneノブを動かすだけで欲しい音を見つけられます。
Baltic Blue Fuzzは、当然ヴィンテージファズペダルではなく、またその再現に全てを賭けたペダルではありません。しかし、一聴してヴィンテージマフのトーンだと感じられる音を好み機材に合わせて自在にコントロールでき、どこにでも気軽に持ち運ぶことができる、最も身近な“ヴィンテージマフ”ペダルなのです。
Baltic Blue Fuzz(BBF)が届き、様々なギターやアンプを使用し、テストを行った。ハムバッカーのギターを使うと、BBFはフォーカスされたきめの細かい音となり、カルロス・サンタナのようなトーンが容易に得られる。次にBJF/Lundgrenのセットを載せたストラトキャスターを接続すると、70年代、兄の寝室で聞いたレコードを思い出したよ。私の持つハイワットアンプは、ビッグマフを使ってもギルモアの音が出ないんだが、BBFを使えばまさにギルモアのトーンが得られた。P-90やテレキャスターでも楽しめるだろう。ローインピーダンスなアクティブピックアップのギターを使えば、フィルタリングのレスポンスが変わり、一気にモダンなファズトーンになる。パッシブピックアップを使用し、BBFの前にBJF Bufferを置いても同様の効果が得られた。BBFは、ブリティッシュアンプはもちろん、1967 Super Reverbのようなフェンダーアンプでも簡単に音を設定できる。Granith Grey Booster(GGB)のようなブースターと組み合わせる場合、GGBを先に接続するとモダンなトーンになる。GGBを後に接続すれば、2つのヴォリュームレベルを設定することができる。どちらも推奨できるだろう。