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ギターの電気系


●電気系 ●機械系 ●電磁変換器 ●ピックアップの原理
●電気インピーダンス特性 ●電気系等価回路
●シングル・コイル・ピックアップとハンバッキング・ピックアップ
●ハンバッキング・ピックアップの特質 ●代表的なピックアップ
●コントロール部 ●アクティブ・タイプ・コントロール系


●電気ギターのエレクトリック類似回路の考え方
○電気系
電気系では一般に知られているように抵抗、コイル、コンデンサーの 三素子が存在し、実際に作用する物理的要因を電気抵抗、 インダクタンス、キャパシタンスと呼んでいる。 これらの三素子R−T−Cが直列に接続されると ←左の図のように表わされ、交流電圧 がかけられたものとすると、電流 が流れる事になる。そして、それらの関係は次のように表わされる。

E、Iは複素電圧、電流である事を示す。tは時間を表わす。
即ちコイルの両端に現われる電圧は、電流の流れる割合 (電流の速度のようなもの)に比例したものであり、 抵抗には電流と掛け合わせた電圧、コンデンサーには 流れる電流をすべて加え合わせたものに比例した電圧が生じる。 交流電圧はその向きが時間に応じて変化するものであり、 それは一般に
などのように表わされる。したがって の微分、積分を考えると上の式↑は次のように書き表われる。

直流に対しては電気抵抗RはR=E/Iとして電圧と電流の 比で表わされるが、それに対応し交流においてもインピーダンスと 言われる次の量Zが定義される。

即ちZはこの回路に電圧が加えられたときに、 すべての特性を決定付ける要因である。 これらの事柄について説明してみる。
まず交流電圧として右の図→に示すような正弦波を考えており sinωt、またはcosωtのように時間的な変化を 有しているものである。
このような関数を扱う場合、電気工学などにおいては 数学的な便利さを考慮し を用いて表わされる。

ここに表わされたjは−1の平方根であり 実数に対し虚数というものを表わすためのものである。 上の式↑の関係は下の図↓のような平面を複素平面とするが、 中心から常にEoの距離(絶対値と称する)の 位置(x、y)の点がx軸から角度ωtであるとすれば、 x=Eo cos ωt、y=Eo sin ωtである。 時間tの経過に対し点(x、y)は 円上を左廻りに回転しEo sin ωtは点(x、y)を y軸上に写像したもの、同様にEo cos ωtは x軸上に写像したものである。
次に微分、積分の考え方であるが、変数が時間tで あるとすれば微分は時間的な変化率を求めるものであり、 積分は時間に対して表われるすべてを 集積するものと考える事ができる。

そして、それらは の式で用いたように表わされ、 となるものである。 ωtは一般に偏角または位相と呼ばれるものであり、 xとyの位置が決まればおのずとωtが決定される。 もしそれがx軸上の正の方向に位置すれば、 E=Eo(0+j・1)=jEoであり、x軸上の正方向、 y軸上の負方向に位置すればそれぞれ である。 即ち1/j=-jである事を考えれば、 このことはそれぞれコイル、抵抗、コンデンサーに 表われる電圧の位相関係を示している。 それを とすると より次の事が分かる。

即ち、コイルに表わされる電圧は抵抗に表われるそれよりも π/2だけ位相が進み、コンデンサーに表われる電圧は 抵抗のものよりπ/2だけ位相が遅れている。 その関係を左の図←に示すが、これは変位、 速度、加速度の関係と相似である。
電荷をq、キャパシタンス即ちコンデンサーの容量をC、 そこにかけられる電圧を とすると 次の関係が成立する。

この電荷の時間に対する変化の割合が電流と定義されている。 即ち

したがって最初に記した は 次のようになる。
○機械系
さて次に機械系の運動について考えてみよう。 機械抵抗Rm、質量M、スティフネスと呼ばれる 弾性要素の逆数をとりコンプライアンスCmとすると、 その系が直列に動作する運動の方程式は、 加える力を 、 その結果生じる速度を とすると次のように表わされる。

この機械系に生じる変位をxとすれば、 変位を微分して変化率を出したものが速度であって 上の式↑は次のように記す事ができる。

変位の変化する割合を表わすのは速度であり、 速度の変化する割合を表わすのが加速度である。 質量Mは加速度に比例した力を加えた力と反対方向に生じる。 また抵抗は速度に比例した力を生じ、 バネも要素は変位に比例した力を生じる。 その三者を加え合わせたものが与えた力とつりあう事になる。
この関係を示したものが↑上の式である。
即ち
と、
また

全く同一の形をしており、 数学において線形二階微分方程式と言われるものである。
機械系のこれらのモデルとそれ以上の結果から考えられる 電気系に対応させた等価回路を右の2つの図→に示す。
即ちコイルは質量に、電気抵抗は機械抵抗に、 コンデンサーはコンプライアンスに、 また電圧は力に、電流は速度に、さらに電荷は変位に対応する事で 全く同一の形の方程式になる。
このように機械系は電気回路と等価なものとして扱う事が可能である。 また音響系に関しても、電圧とそこに表われる粒子速度とを考え、 質量に対応するイナータンスや音響抵抗、音響質量と考慮してみると 同一の考えで進める事ができる。

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●電気インピーダンス特性 ●電気系等価回路
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●ハンバッキング・ピックアップの特質 ●代表的なピックアップ
●コントロール部 ●アクティブ・タイプ・コントロール系

●電磁変換機

さて、まず電気ギターでは機械系として弦の振動が起こされる。 これを何らかの方法で電気信号に変換しなければならない。 そのため電気ギターにはピックアップが取り付けられている。 このピックアップの構造は原理的には、電磁石と同じである。 ←左の図に示すようにコイルに電流を流すと磁束が発生する。 また逆にコイル内部の磁束を変化させると電流が生じ、 一方方向にのみであれば直流、その向きを時間に変化させると 交流が発生する。↓下の図。

●ピックアップの原理

電気ギターに用いられるピックアップの原理図は↑上の図の様なものである。 永久磁石からは常に一定方向に磁束が存在しており、 この磁界の中で弦は磁気回路を形成している。 即ち弦は磁気を帯びることのできる磁性体である必要がある。
弦が振動をすることは、結局永久磁石に近づいたり遠のいたりする事であり、 その結果磁化された弦の発生する磁束の量に変化が表われる。 磁石に近づけば近づくほど磁束は強まるのであり、 それに比し離れ方が大きいならばその分だけ磁束に変化が見られる。 即ち弦の振動振幅が大きいほど磁束の変化が大きく、 その磁束の変化がコイルに電流を流す事になる。
これはあたかも、永久磁石の直流磁束をバイアスとして その上に弦振動による交流磁束が存在するものと考える事ができる。 →右の図。
これらの機構により弦振動が電気信号に変換され、 弦の振幅が大きければ大きいほど電気信号の出力が大きいように、 永久磁石の磁気の強さ即ち磁束密度の大きさ、そして磁性体である 弦の材質や大きさなど最終的音色を決定付ける要素が ここには多く含まれているのである。
それではもっと具体的に実際のピックアップに関して追求してみよう。 電気ギターの音色をある程度決定付けるにはピックアップであるが、 現在最もスタンダードなものとしてシングル・コイル・ピックアップと ハンバッキング・ピックアップがある。 これらはまたギターの特性をも決定しており、 一般にはフェンダーのギターではシングル・コイル・ピックアップ、 ギブソンのギターではハンバッキング・ピックアップが用いられている。 シングル・コイル・ピックアップの構造は左の図←のように 示すようなものである。
即ちコイルボビンに6つの磁化されたポールピースがはめ込まれ、 その全体を包むようにコイルが6000〜8000回巻かれている。 ポールピースにはアルニコを材料としている。
ハンバッキング・ピックアップは原理的には シングル・コイル・ピックアップを2組使用し、 両方のピックアップの磁極を逆に電気的に正相に (起電力が同じ向きになるように)接続したもので 右の図→に表わしたようなものである。 ピックアップの出力は大きいほど良く、 マグネットの磁力を強くすば出力は大きく得られる。 しかし弦が磁化される以上、ピックアップに引き付けられるのであって その結果弦の振動は長く持続できないという欠点を持つ。
次にコイルの巻き数が多ければそれだけ起電力も大きくなる。 しかしこれもまた弊害を有している。 即ち導線が長ければ長いほどそれだけインピーダンスも増し、損失が多くなる。 さらにコイル同士の線間容即ち高域の低下とコイルの導線ノイズの増大である。 このことはピックアップの特性を希望に応じるような 一意的なものにできない要素である。

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●電気インピーダンス特性 ●電気系等価回路
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●ハンバッキング・ピックアップの特質 ●代表的なピックアップ
●コントロール部 ●アクティブ・タイプ・コントロール系

●電気インピーダンス特性

ピックアップの一般的等価回路は←左の図のようになる。 即ちコイルには必ず直流抵抗が存在し これはコイル自身の性能を決定する。 さらにコイルに用いられる線間には容量が表わされ、 この結果共振周波数が存在する。 電気インピーダンスは次のように与えられる。

↑上の式の周波数に対する特性で下の図↓に示すのは 市販されている一般のシングル・コイル・ピックアップと ハンバッキング・ピックアップのコイルの端子側、 即ちピックアップの出力側から見た電気インピーダンス特性である。


●電気系等価回路

電気ギターの入力は弦を何らかの方法により振動させることである。 弦の振動は前述の通り基本振動周波数を基にその高調波が存在する。 その等価回路は→右の図のように考える事ができる。
上の図「ピックアップ・コイルの等価回路」の コイルの電気回路と右の図→の機械振動の等価回路を 結び付けるものがピックアップであり、 全体は変成器を用いる事により↓下の図のような等価回路となる。
即ち弦振動によって生じた特定の電機械振動周波数のみが変換器 (ピックアップ)を通じてコイルの端子に電気信号として表われる。 多くのギターの音質が異なるのは、これぞれのギターの 材質など物理的要素が違っているからに他ならない。 弦の振動は同一でも材質が違う以上その固定点、 即ちブリッジの性能は異なる。 結局右の図→または下の図↓に示された弦振動の回路の 各要素の値がすべてのギターに対して異なることになる。
即ち当然のごとくギターのボディ、ネック、さらに ヘッドの材質や、重さ、さらにその形は特有な癖を表わす。 そして単にコイルとコンデンサー、 抵抗と変成器を用いて書き表されたピックアップも、 一つ一つ全く特有な値であり、それらはそれぞれの ピックアップの特性を印象づける要素になっている。

●電気系 ●機械系 ●電磁変換器 ●ピックアップの原理
●電気インピーダンス特性 ●電気系等価回路
●シングル・コイル・ピックアップとハンバッキング・ピックアップ
●ハンバッキング・ピックアップの特質 ●代表的なピックアップ
●コントロール部 ●アクティブ・タイプ・コントロール系

●シングル・コイル・ピックアップとハンバッキング・ピックアップ

シングル・コイル・ピックアップとハンバッキング・ ピックアップの違いは誰もが感じ取れる。 まず考えてみたいのは↑上の図に示したピックアップの 電気インピーダンス特性である。両者は明らかに異なっている。 シングル・コイルではコイルの巻数は6,000〜8,000、 ハンバッキングでは4,000〜5,000のものが2個使用されている。 このことは使用されているコイルの導線の長さが 異なることに他ならない。
即ち電気抵抗(これは直流抵抗に相当する)は導線に比例して増加し、 抵抗の増加にともない共振の鋭度は低くなる。
↓下の式は次のように書き改めることができる。

インダクタンス成分に注目すると共振鋭度を表わすQは 次のように表わされる。

但し、ここではωoは次の値である。

抵抗の増加は共振周波数を低下させることがわかる。 今抵抗に関してのみ述べたが、当然キャパシタンス、 インダクタンスにも違いが生じる。 このような物理的特性に対し、結果として発生される音は 聴感上どのように変わるだろうか。
振動によって生じる電気的信号は、種々の周波数を有するが、 それが共振回路を通過すれば、その回路の特性に大きく影響を受ける。 共振鋭度が鋭ければそれだけ共振周波数付近の信号は強調される。 即ち、シングル・コイルの方が明らかに5kHz〜10kHz間の 共振周波数付近の信号を豊富に送り出してくれる。 この事が、シングル・コイルらしさ、 ハンバッキングらしさと言われる要素であろう。

●ハンバッキング・ピックアップの特質

だがいまだに両者の差を決定している要素は他にも多くあるはずである。 ハンバッキング・ピックアップはその基本的原理は シングル・コイルと同一なのである。 要はその使い方を若干変えただけで他ならない。 即ち2つのシングル・コイル・ピックアップを磁気的、 電気的にうまく処理したものである。
ハンバッキング・ピックアップの原理を探るために簡単に図示すると 右の図→ように考える事ができる。 即ち2つのシングル・コイル・ピックアップが磁極に異に置かれている。 この2つのピックアップ部分における磁気変化、 そしてその結果生じる電気信号について考えてみよう。
まず、磁極の磁束に変化をきたすような弦の振動が 両磁極同時に生じたとすると、 両者に生じる磁束の変化は逆向きである。
例えば左の図←のようにS極の磁極が近づいたとすると 両極の磁束変化は逆向きに生じる事になり、 その結果”一つの右ネジを取って、 磁界の向きにネジを回転させたとすると、 ネジの進む向きの電流が流れる”という アンペアの右ネジの法則に従って図のような向きに電流が流れる。
1'-2'、または1-2を接続し、それぞれ1-2、1'-2'から出力を取ると 電気信号は同相になっており強められる。 しかし1-2'、または2-1'を接続し、それぞれ2-1'、1-2'から 出力を取るとすれば電流は逆向き、 即ち逆相であり打ち消し合い弱められることになる。
弦の振動は何度も述べるように多くの振動周波数を有している。 この事は弦が色々な形に変化するという事であり、 ハンバッキング・ピックアップの両磁極の上に存在する弦が 逆位相で動く場合も存在する。下の図↓(a)のように 弦振動が存在すれば信号は強まり、同図(b)のような 弦振動に対しては信号は弱め合う事になる。
ハンバッキングピックアップの特徴はその名の示す通り、 ハムを取り除く点にある。 外部誘導雑音であるハムは、商用電力などの影響で、 普通の場所でも一様に存在し、さらに大電力を扱う機器の周辺では かなりの大きな磁界が発生している。 その磁界は商用電力の周波数やその高調波などからなる交流磁界である。 その交流磁束はピックアップコイルに誘起される事によって 雑音としてギター出力に表われる。 即ちその発電メカニズムは弦振動によるものと本質的には変わらない。
しかし、弦振動がピックアップのマグネットによる 磁束発生量を変化させ交流磁界を作るのに対し、 外部誘導による磁束は、マグネットによる磁束とは別に、 コイルを通過する磁束として存在する。 従ってマグネットの強弱や極性、弦振動の有無に関わらず、 コイル及びポールピースの存在により外部誘導雑音が発生する。
ハンバッキングピックアップでは、2つあるコイルに通過する 外部誘導磁束はほぼ等しいと見る事ができる。 それは外部誘導による磁界はピックアップの近傍では ほぼ一様な交流磁界となっているからである。 即ち、2つのコイル間の距離に対して十分遠方からの 交流磁束の場合は2つのコイルには等しい磁束が通過する事になり、 それぞれの巻数が等しい場合、 2つのコイルの両端に発生する電圧は等しい。
今、2つのコイルを電気的に逆相に接続すれば、 この外部誘導雑音は互いに打ち消しあい、 大幅に減少することになる。
そして、弦振動に対しては、同相出力となるように、 マグネットの磁極を互いに反転させる事により、 ハンバッキング効果と弦振動出力の増大を計っているのである。 マグネットの磁束とは無関係な外部磁束を打ち消すため、 マグネットの強さ、極性には依存せず、 2つの同様なコイルを接近させて 逆相配置させることがポイントになっている。
今、もし他の雑音を発生しうる外乱が存在したとするとき、 それが上記のようにうまく打ち消しあってしまうならば、 生じる雑音は極端に減少することになる。

●電気系 ●機械系 ●電磁変換器 ●ピックアップの原理
●電気インピーダンス特性 ●電気系等価回路
●シングル・コイル・ピックアップとハンバッキング・ピックアップ
●ハンバッキング・ピックアップの特質 ●代表的なピックアップ
●コントロール部 ●アクティブ・タイプ・コントロール系

●代表的なピックアップ

ギブソンのハンバッキング・ピックアップでは共振周波数約7200Hzで 最大インピーダンスが約300kΩ、フェンダー・テレキャスターの リード・シングル・コイル・ピックアップでは共振周波数約9400Hzで 最大インピーダンスが約566kΩである。 また出力はフェンダーのシングル・コイル・ピックアップに比べ 約2倍である。

●コントロール部

電気ギターの電気系は一般に、ピックアップにより得られた 電気信号のトーン・コントロールとボリューム・コントロール を通過して終了する。 ピックアップの等価回路も含め電気回路を描くと →右の図のように与えられる。 ピックアップの起電力を考慮し、ピックアップの等価回路を インダクタンスのみと仮定すると↓下の図のような トーン・コントロール部を考える事ができる。
↑上の図の回路の出力電圧は、起電力を Eとすると次のように与えられる。

例えばR=0の場合上の式↑は次のようになる。

即ちLとCによって決まる共振周波数では極端に出力電圧は大きくなる。 またRを可変する事により、共振周波数は若干変化し、 その周波数に対する出力電圧も変化する。

●アクティブ・タイプ・コントロール系

前述のようにピックアップ・コントロール部はすべて ハイ・インピーダンス・パッシブ・タイプで構成されている。 このため一般に容量成分の影響を受けやすく、またハム、 ノイズなどを拾いやすい。
ギター用シールド・ケーブルの容量は長いもので1000pFを 越えることがあり、高域出力の低下を招きやすい。 これを防ぐには、できるだけ容量が低く、 短いケーブルを使用するか、あるいは出力回路を ロー・インピーダンス化する事である。
まずピックアップをロー・インピーダンス化する事を考えてみよう。 ロー・インピーダンス化することで、ピックアップはノイズ、 ハムが少なくなり、ピークのないフラットな特性を作る事ができる。 しかし、このピークがサウンド創りの一つの要素である事、 弦振動自身に6〜7kHz以上の成分がほとんど含まれない事からも、 ピックアップのロー・インピーダンス化が必ずしも良いとは言い切れない。 さらにロー・インピーダンス化することは出力の低下を意味する。 またパッシブ・タイプの回路ではトーン・コントロールでの変化が乏しく、 大きな変化をさせようとすると出力の低下につながる。
これらのピックアップにおける欠点を改善するには、 能動素子を用いた増幅回路を用いれば良い。 増幅回路により出力不足はカバーでき、
エミッター・フォロワーなどの回路により ロー・インピーダンス・アウトプット化、 さらに複雑なイコライザー回路により多彩な音づくりが可能となる。
しかしここでもいくつかの欠点が見い出せる。 まずアクティブ・タイプにはバッテリーなどの電源が必要であり、 特にバッテリーの場合、できるだけ消費電力を押さえなければならない。 さらに、ギター・アンプはゲインが高いため、 わずかなノイズでもspれが拡大されてしまい、 このノイズを減らす事と電流を減らす事とは相反する関係にあるからである。
以上の事より、パッシブ・タイプとアクティブ・タイプの長所を生かした 設計が必要となる。↑上の図。

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